ノーリードの大型犬を誰も気にもしない〜シニアロンドン一人旅
昔からロンドンで時折見かける光景がこちらです。
ノーリードの大型犬。
1枚目の写真はロンドンの西にあるborough of Ealing(イーリング地区・無理矢理東京に例えると世田谷区)の私のステイ先の近所。
しかし2枚目と3枚目はバンク駅です。
Bank駅の名称の由来は、王立イングランド銀行の最寄り駅だということです。
周りには世界的に有名な銀行がひしめき、ロンドン中心部の中でも特に「シティ」と呼ばれる金融街です。
こちらも無理矢理日本に例えるならば、日銀本店のある日本橋。
限りなく大手町寄りの日本橋。
平日の金融街のど真ん中を歩くゴツいノーリード犬。
彼は大きさこそ中型犬ですが、顔立ちは一目でわかるブル(闘犬)系の品種でした。
(規制対象のピットブルではない)
日本でこの品種の犬をノーリードで散歩させたら、確実に誰かが警察を呼ぶでしょう。
しかし英国では、誰も気にする素振りすら見せません。
道行く人たちが特に見もしない。
実は私は一度は彼(犬)に追い抜かれ、5分後に今度は曲がり角ですれ違いました。
通行人が彼を気にしない以前に、彼が通行人に興味を示しません。
つまり、追い抜きざまに私の臭いを嗅ごうとしたり、すれ違いざまに私をチラッとでも見たり、というような素振りが一切ないのです。
私が英国で今までに出会った、ノーリードの犬たちは皆一様に同じでした。
周囲の通行人をいちいち気にしない。
仮に他の犬に吠えられても、反応しない。
自制できる。
自制を貫いて淡々と歩くことができる子だけがノーリードを許されている。
そんな印象です。
1枚目の写真のように同じ飼い主が複数の犬を連れている場合でも、ある犬はリード付き、ある犬はノーリードということが多いのです。
つまり周囲の人間や小動物(ロンドンでは住宅街にも野生のリスがたくさんいるし、好戦的なカモメもうじゃうじゃいる)に興味を持たない、あるいは自制できると飼い主が認めた子だけはノーリード。
そうでない子はリード。
中には、ある子はロングリード、ある子はショートリードに口輪、そして残る一頭はノーリードのご一行(飼い主は一人)というパターンも見ます。
その子の個性に応じて束縛度を使い分けている、という風に見えます。
こう書くと、やはり日本では総叩きに合うでしょう。
「飼い主のひいき目で決めたことなんて、信用できるわけがない!」
「仮にその犬が本当に大人しく、人に何の危害も絶対に加えない犬だとしても、他人にはそんなことはわからない。犬が苦手な人にとっては、大型犬がノーリードでいるということ、それ自体が恐怖なのだ。その犬が凶暴か紳士か以前の問題だ!」
もしくは正攻法ではなく、いかにも「あなたの犬を心配してあげてるんですよ」というロジックで言い負かそうとする人もいるでしょう。
「仮にその犬がノーリードでも周りに一切の迷惑をかけない賢い犬だとしても、リードが無かったばかりに車に接触されたり、心無い人にいたずらされたらどうするんですか?余計な事故で愛犬を傷付けないためにも、全ての犬はリードで人間の制御下に置かれるべきなのです!犬のために!」
(この論法なら反論しにくいだろう、ドヤぁ😤)
一応英国でもノーリード散歩は法律的にはダメらしいです。
なので善悪を論じるつもりはありません。
ただ、とにかく英国人は誰も気にしてない。
これだけは事実。
シティを闊歩していたブルくんも、振り向いてまで見てたの、私だけでございましたよ。




このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。