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映画評>邦画>牛乳屋フランキー:1956年日活・スポンサーは森永乳業

故フランキー堺氏(1929〜1996)主演のコメディ映画。
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牛乳屋フランキー
牛乳屋フランキー
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主役の名前は堺六平太(さかい・ろくへいた)です。
なのにタイトルは「牛乳屋六平太」ではなく「牛乳屋フランキー」。


「フランキー堺の主演映画だよ〜❗️」という一点で集客を狙ってますね。
当時大人気のコメディアンでした。



1956(昭和31)年の作品なので、モノクロ映画です。
ポスターはカラーですが、フィルムは白黒。


六平太が上州(群馬県)から上京するときの乗り物は、蒸気機関車❗️


到着した東京駅は、駅の建物こそ復元改修前の東京駅(赤煉瓦3階建て)ですが
八重洲口の駅のどまん前の道がなんと未舗装❗️
水溜りがあります😅


そういう時代だったのですね。


親戚の経営する牛乳販売店に住み込む六平太。
配達のために朝は3時半起床。
暗いうちから瓶牛乳を自転車に積み込み、一軒一軒配達して回ります。



団地も登場しますが、5階建・6階建てでもまだエレベーターはありません。
階段を駆け上がり駆け降りるハードワークです。



そういう時代だったのですね(2度目)。


お客さんに細々した買い物を頼まれたり、
「ついでに届けて」とラブレター配達までさせられる牛乳屋。


これ以上書くとネタバレになりますのでやめますが、そんなゆるーいコメディです。


さて、話の中には具体的な物価がいくつか垣間見えます。
例えばタクシー。


「東京に来たからには、まず宮城(キュウジョウ:皇居のこと)に寄らねば」
と八重洲口からタクシーに乗った六平太。


キュジョウ違いで後楽園球場に着いてしまう、というギャグシーン。


もちろんドーム球場なんかじゃありませんよ。


東京駅八重洲口から後楽園球場までは約3.5km。
請求された運賃は180円でした。

検索すると、現在では約1,500円と出ました。



<1956(昭和31)年の日本の物価>


大卒公務員初任給:4,223円
ラーメン    :   20円
映画      :   80円
銭湯      :   10円
牛乳(瓶)   :   12円
週刊誌     :   15円
かけそば    :   15円
コーヒー    :      25円 


2021年度の大卒公務員初任給は一般職で182,200円です。
これを元にすると、物価の差は43倍。


180円×43=7,740円相当。


タクシーは、何と贅沢な乗り物だったのでしょうか。


当時大衆の娯楽の王様で、満席時の立ち見も当たり前だったと言われる映画も
80円×43=3,440円。
現在の1,800円など可愛く思える、とんでもない贅沢プライスです。



ラーメンは20円×43=860円。
おお、こちらはかなり妥当です。
現在も大体このくらいでしょう。


一方で瓶牛乳1本が12円×43=516円は何とも高い。
今なら1ℓパックを2本買ってもお釣りがきます。


後楽園球場ではダフ屋に声をかけられる六平太。
ダフ屋の言い値は、席種不明ですが800円です。


800円×43=34,400円❗️❗️


2021年の後楽園球場の一般指定席Aは定価 6,500円です。


お話自体は現代感覚で言うとちょっとユルいと言うかヌルいと言うか…なのですが、
東京の玄関口すら舗装されていない様子や、こういった物価を考えながら見ると、
たいへん興味深い映画でした。


この映画、スポンサーが森永乳業だったそうです。



そうそう、これならご存知の方もいらっしゃるのでは❓
「赤かぶ検事」の時のフランキー堺さん。