シロクマ効果あるいはカリギュラ効果:厄介な深層意識を上手くあしらうには
ちょっと理由がありましての再公開です。
初公開:2022/04/22 12:00
はじめに(前提条件)
私は記憶力が高く、スルー能力が低いです。
そこで、自称大らかな人によく言われる代表的なセリフがこれです。
「そんなこと、早く忘れなさい❗️」
「気にしない、気にしない❗️」
もちろん善意でおっしゃっていただいてることでしょう。
いくら感性が独特な私でも、これを悪意とは思いません。
その善意は大変ありがたく思います。
しかし、同時に(逆効果ワードいただきました〜)とも感じます。
シロクマ効果
心理学で「シロクマ効果」と呼ばれるものがあります。
👇下はカナダで行われた心理学実験です。
❶ シロクマのことを考えろと言われたグループ
❷ シロクマのことを考えるなと言われたグループ
Q:実際どっちがシロクマのことを多く考えたでしょう?
A:❷
考えるなと言われた方が、余計にシロクマのことを考えたという結果でした。
被験者は無作為に選ばれています。
「気にしい」の人を集めたわけではありません。
シロクマ効果=
人は思考を抑制されると逆に思考してしまう心理
カリギュラ効果
心理学では「カリギュラ効果」と呼ばれるものもあります。
- 「見ないで」 ➡︎ 見たくなる (鶴の恩返し)
- 「開けないで」 ➡︎ 開けたくなる(浦島太郎/パンドラの箱)
- 「言うな」 ➡︎言いたくなる(裸の王様)
- 「彼(彼女)はダメ」➡︎ 燃え上がる (ロミオとジュリエット)
カリギュラ効果=
禁止された行為ほどやりたい願望が高まる心理
こちらも属性(老若男女)を問わず普遍的に見られる心理です。
洋の東西も問いません。
ロミオとジュリエットについては、独立した「ロミオとジュリエット効果」と呼ばれることもあります。
ロミオとジュリエット効果
ロミオとジュリエット効果=
障害が大きくなるほど、障害を乗り越えたい気持ちが高まる心理
これには、先日書いた「希少価値の法則(hard to getの法則)」も働いていそうです。
希少価値の法則
希少価値の法則=
入手が困難であればあるほどそれが欲しくなる心理
逆効果アドバイスの可能性
以上のことから、例えば誰かが何かを気にしたことに気づくや否や
「気にしない❗️」
「そういうふうに考えない❗️」
「早く忘れなさい❗️」
とアドバイスをするのは、結果的に
「気にしろ」
「そういうふうに考えろ」
「決して忘れるな」
という暗示をかけていることになりかねません。
「そんなつもりじゃない。ひねくれないで」
とはおっしゃらないでください。
受け取る方も、そんなつもりではないのは同じなのですから。
全ては無意識(深層心理)下の心理作用なのです。
かといって
「気にしてる人には気にするなと言ってはいけない。言ってはいけない❗️」
と考えると、逆に言いたくて言いたくてたまらなくなるのもカリギュラ効果。
人間って、本当に難儀ですね。
シロクマ効果への対処法
回避するのではなく、とことん向き合うことだと言われます。
わざとシロクマのことを考え倒して、脳が慣れるというか、飽きるのを待つ。
難儀で厄介なシロクマですが、なんとかこれで折り合いをつけたいものです。
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