ブログ開設一周年企画>自己紹介⑨変わり者の祖父の薫陶
子供の頃同居していた父方の祖父は、個性の強い男でした。
なので田舎では「変わり者」呼ばわりされていました。
私がALDH2(アルデヒド脱水素酵素2)不活性型(アルコールを全く分解できない※)なのは祖父からの遺伝です。
※日本人の4%がこれ。また40%は分解能力が低い低活性型。
この不活性型/低活性型はモンゴロイド(黄色人種)だけの特徴で
白人種・黒人種は全員活性型=アルコールが分解できる=酒が飲めるそうです。
「九州生まれのくせに酒が飲めないなんてありえないでしょ〜」
と言う人がいまだにいますが、九州人も日本人です。
親戚の集まりでは、どの人が祖父の家系かというのは子供にもだいたい察しがつきました。
酒を飲まないからです。
こんな一族なので、私は「女の子なんだからお酌くらいしなさい」という教育とは無縁でした。
私が子供の頃、九州ではまだ男尊女卑の名残が残っていました。
親戚の集まりでお酒が出ると「女の子はお酌をして回るのが当たり前」。
それをやらないと「嫁の貰い手がないぞ」などと言われるのでした。
「女の子なんだからお酌くらいできないとね」
「男は度胸、女は愛嬌」
などなどと大人が言うものだから、目端のきく女子は、小学校高学年にもなると大人に褒めてもらうために率先してお酌をしていました。
そして
「女の子に注いでもらったお酒はやっぱりうまいなあ」
とか
「将来いいお嫁さんになるぞ」
とか何とか。
言った方も言われた方も喜ぶわけです。
そういう文化(❓)と無縁のまま小学校高学年になった私。
小5の時のお盆の集まりで、比較的新しい親戚(つまり姻戚関係で親戚になったばかり)の小父さんと小母さん(その妻)に声をかけられました。
小父「ミリエちゃんだっけ❓小父さんにお酌してくれないかな」
私 「・・・え❓」(キョトーン)
小母「あらっ、お酌もしたことないの❓中学生にもなって※」
※私は小学校の頃は背が高かったので、低学年の頃は高学年に、中学年になると中学生に、よく間違われていました。
小父「練習しなきゃ」
小母「お嫁に行けないわよ」
それを聞きつけた祖父が物言いをつけました。
祖父「俺の孫は酌婦じゃない。酒は飲みたい者が手酌で飲め❗️」
酌婦というのは、お酌をすることを職業にしている婦人という意味です。
つまりはホステスさんというかコンパニオンというか。
そういうプロの方のことですね。
戦前の古式ゆかしき日本語です。
小父「いや、俺はこの子のためを思って・・・」
小母「そうよ。女の子はお酌くらいできないと縁談が・・・」
祖父には逆効果でした。
祖父「自分の女房と酌婦の区別もつかんような男との縁談など要らん❗️」
はい、これで祖父を「変わり者」「考え方がおかしい」と言う人がまた2人増えてしまいました。
ついでに私も
「あんなふうに育てられるから、あそこの子供(私と妹)は変わってるんだ」
「将来結婚で苦労するよ」
などと予言(陰口)を言われる羽目になったようです。
長じて私はイギリスに短期留学に行きました。
そこで知ったのは。英国でも欧州でも、お酒を注ぐのは男性がやるのがマナーということでした。
女性がお酒を注いでも変な顔をされないのは、女性の方が男性より明らかに目上(相当年上もしくは上司)の場合だけだそうです。
帰国してから外国人の今の夫(アジア人)と日本で結婚しました。
彼の国にも「お酒は女性がお酌をするもの」という文化がありません。
というかこれ👆日本のガラパゴスマナーのようです。
予言は当たりませんでした。
今になると、私のHSS型HSPも祖父からの隔世遺伝だと思います。
もう亡くなっているので検証のしようはないのですが、ほぼ確信しています。
👇祖父の名言で一番気に入ってるのはこれです。
「変わり者と陰口を叩かれたら喜べ。
こそこそ陰口を言うような奴とは、違ってる方がありがたい」
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