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The cherry blossoms are just about to bloom.
Do you want to see the cherry blossoms or Sakurajima?
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野鳥>カルガモ>悲しいカルガモ親子

初公開:2021/6/6   11:00


ブログを始めてすぐに書いた記事です。
まだ読んでくださる方も少なくて、niceも一桁ですね。


読み返したらまた切なくなってしまいました。
できれば未読の皆さまに読んでいただきたくて、再度公開します。


よろしくお願いいたします。





今は野鳥の繁殖シーズンです。


東京23区にある我が家の周りで見らけるのはカルガモとカイツブリくらいなのですが、日課の散歩でかわいいヒナを見るのがこの季節の楽しみのひとつです。


しかし、昨日とても悲しい光景を見てしまいました。


カルガモは通常10個から12個くらいの卵を産みます。
なので孵化したての小さいヒナは10羽ほどいるのが普通です。
(上の写真は「悲しい親子」とは別の家族です。平均的な10羽の子だくさんです)


しかし毎日観察していると、ヒナが最初の数のまま大きくなる家族と、どんどん数が減っていく家族がいます。


一番の大敵はカラスと言われていますが、この季節は青大将もよく川岸で見かけます。


卵や生まれたてのヒナを狙って川岸に出てくるのかなと思います。
また、アオサギに食べられることがあるとも聞きました。


昨日見かけたあるカルガモ親子は少し特殊でした。




まだ孵化したてのサイズの小さな小さなヒナを、たった1羽だけ連れているお母さんカルガモがいました。


母ひとり子ひとり。


数十メートル先には8羽、10羽と子を連れた大家族。


ひとりっ子のヒナは、まるで磁石が付いてるようにお母さんにくっついて離れません。


まだ卵のうちか、孵化したてのところを天敵に襲われて、この子以外みんなさらわれてしまったのだろうかと考えると、心が痛みました。


川岸の遊歩道を行く人たちも「あら1羽だけなんて珍しい」と足を止めています。
その時もっと悲しいことが起きました。


50メートルほど下流にいた、8羽の子を連れた母ガモがスーッとやってきて、ひとりっ子のお母さんを攻撃し始めたのです。


野鳥観察をしたことがある人はご存じでしょうが、カルガモはのんきな見た目に反して本当にけんかっ早いです。


いじめっ子は、羽根に噛みついたり、馬乗りになって頭をつついたり、非常にアグレッシブに攻撃するので、攻撃された側はたいてい飛んで逃げます。


しかしこのお母さんは飛んで逃げれません。子どもがいるからです。


いじめられっ子母さんは必死に泳ぎ回っていじめっ子を払いのけようとしますが、いじめっ子母は噛みついたまま離しません。


やっと振りほどいた時には、子供の姿が見えなくなっていました。


いじめられっ子母さんは独特の声を上げて子どもを探します。種族の違う私にも必死さが伝わる声です。


声に反応した子どもが、草の陰から出てきました。よかった!
しかし・・・


いじめっ子母さんが、なんと今度はその子どもをつつき始めたのです。
なんでやねん!


あんたも人の親でしょう?8羽の子供を50メートル先に待たせてるでしょう?
(いじめっ子母の子供たちは、きょうだい同士身を寄せ合って母の帰りを待っているのが、そこからはっきり見えます)


いじめられっ子母さんは、当然子どもを救うためいじめっ子に挑みかかりますが、反撃され、今度は首を噛まれてしまいます。


そこに近づく子どもを、またいじめっ子がつつきます。


隣で見ていたお爺さんが
「この母親は喧嘩に弱いから、こうやって子供を殺されちゃったのかな」
と呟きました。


いつもまにか川岸には10人近い人が集まっていました。皆口々に「なんで?」「ひどい」とささやき合っていますが、手を出すことはできません。野生動物ですから。


いじめられっ子母さんがやっといじめっ子を振り切りました。
なわばりの問題だったのでしょうか?いじめられっ子母さんは、草が多く子供を隠すのによさそうなその場所をあきらめたように、上流に向かって泳ぎ出しました。


ひとりっ子がまた磁石のようにお母さんの尾羽のあたりにぴたっとくっ付きます。
親子は身を寄せ合って姿を消しました。


カルガモの子は、生後1か月で人間でいう高校生サイズにまで育ち、2か月で完全に成長になり親離れをします。


あの子が無事成鳥になってほしいと、心から願わずにはいられません。