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マンガ書評>㉝今さらの「デスノート」(後編・再読完了したから)


ナンバリング&再公開です。

初公開:2022/12/30 07:00


松の内からデスノートの話なんか書いてたんだなあ、私。


年末にデスノートが夢に出てきたので


年末年始にかけて「デスノート」を再読しました。


再読しても、やっぱりほとんどの登場人物が好きじゃないと再認識しました。


唯一共感できる人物と言えるのが夜神総一郎(やがみそういちろう)、主人公の父。


共感はできないけれど同情する(目を覚まさせたい)のは弥海砂(あまねみさ)、主人公にとことん利用されるヒロイン。


半分だけ共感するのは死神・レム、ミサに同情して命を落とす女性の死神。


年を取っても感性はそうそう変わるものではないということがよくわかりました。


・・・と思ったら、連載当時はあまり何とも思わなかったけど今になると共感できる人が一人増えていました。


夜神幸子(やがみさちこ/主人公の母/専業主婦)


お勉強のできる自慢の息子(夜神月/やがみライト/主人公)を信頼しきっていたのに、そのせいで夫は殉職。


息子(主人公・ライト)もまた、孫も残さないまま若くして死亡。



もちろん幸子さんは夫の死の原因が息子とは一生知らないままでしょう。


総一郎さんは警察庁警視監まで昇りつめた上での殉職ですから、遺族に対する殉職者賞恤金(死亡一時見舞金・非課税)や退職金、遺族年金は相当高額が保証されるでしょうが・・・。


ちなみに警官が殉職した場合は階級が二階級特進となり、特進した階級での退職金が適用されます。


ただし夜神総一郎氏の場合、警視監は上から二番目の階級で上には警視総監があるだけですから、一階級特進にしかなりませんが。


主人公・ライトについては、掲示板などに


「キラ(大量殺人犯)とバレての最期だったから、懲戒免職扱いになって退職金も遺族年金も全部パア。ざまあ」


のような意見が複数、今も散見されますが、それはないでしょう。


大量殺人犯を警察官として何年も雇っていた、警察官として知りえた情報に基づいて大量殺人が可能であった、という事実が公になれば警察庁の不祥事と言われ糾弾されるのは必至。


ライトは警察官になるずっと前、高校生時代から既に警察庁のコンピュータにハッキングして情報を得ていましたが、それもバレれば警察庁がセキュリティの甘さを糾弾され、責任を取れと世論に責められるでしょう。


物語の中でも大量殺人犯・キラの生死を警察は公表していません。
全てを闇に葬るためには、夜神月を懲戒免職扱いにすることはできません。


いくら幸子さんが世間知らずの専業主婦でも、自慢の息子の勤務中の死が殉職扱いされず、懲戒免職にされれば理由の開示を求めるでしょう。


よって機密保持のために夜神月も殉職扱いとされ、遺族に対し見舞金と退職金は支給されたでしょう。


しかし遺族年金の方は、子どものいない独身者にはそもそも支給対象者がいません。
遺族年金を受給できるのは「子どものいる配偶者と、その子ども」に限定されているためです。


というわけで、とりあえず幸子さんには路頭に迷わなくとも済む程度のお金と、夫も息子も警察官として正義に殉じたというプライドだけは保証されたはずです。


しかし、もし自分ならと考えたら、そんなものよりも夫と共白髪になって孫が見たいですよね。


原作者(大場つぐみ氏)も作画者(小畑健)も明言している※通り、主人公・夜神月はサイコパス的素質を元から持ち合わせてはいたものの、デスノートにさえ出会わなければそれが意識に表層化することはなく、真面目な警察官として無難な一生を終えていたでしょう。


せめてもの救いはライトが幸子の唯一の子どもではなく、もうひとり娘(ライトの妹/夜神粧裕/やがみさゆ)がいたことでしょうか。


※彼らは「デスノートの最大の犠牲者は夜神一家」とも明言しています。


死神・リューク(人間にデスノートを使わせたがる死神)


結論としてはこいつが一番悪い。


・・・これも連載当時の感想と一緒でした。


リュークの「人間にデスノートを使わせたい(面白いから)」という欲はライトが無様な死に方をさらした後も止まらず、続編ではまた別の高校生(田中実/たなかみのる)にノートを使わせようとします。



ミノルは知恵を絞ってデスノートを殺人には使いませんが、それでも命を奪われるという胸糞展開。


この続編のレビューもそのうち書きます。