味の素は石油製品だと言い張るエセネイチャリストな方々
昔の同僚に「我が家には、味の素がない」と自慢する人がいました。
「化学調味料だから身体に悪い」というのがその理由でした。
職場の自称自然派(ネイチャリスト)さんたち数人が賛同していました。
「うちにもないわ!」
「あーら、うちだって買わないわよ!」
…何の競争でしょうか。
そこで、味の素は何でできているんですか?と質問したところ
「石油か何かでしょう。だって、化学調味料って言うくらいだもの!」
「ね~」
…残念なお知らせですが、味の素の原料はサトウキビです。
ごく初期は昆布を使っていたそうですが、コストがかさむ(昆布は高い)ためサトウキビに代わりました。
サトウキビの糖蜜に発酵菌を添加して作られます。
「ナチュラル」「自然」というキーワードに目のない人が大好きな、植物原料の発酵食品ですよ。
…と本当のことを言ったところ
「嘘よ、ウソウソ!この人(=エンドウ)大嘘つきだわ。だって偉い人(って、誰?)が『化学調味料』って言ってるのよ!!」
いや、その名称が使われていたのは1980年代まで。
的確ではないという理由で、1990年代からは「うま味調味料」と呼ばれています。
そもそも化学物質と呼ばれる物質自体が自然界に存在するものです。
何かと目くじらを立てられる石油も、元をただせばプランクトン(海洋浮遊生物の総称)です。
プランクトンの死骸が海や湖の底に堆積
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微生物分解によりケロジェン(有機物)に変化
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ケロジェンが地熱による化学反応でさらに分解
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- 液体状になった:石油
- 気体状になった:天然ガス
プランクトン画像は茨城県公式よりお借りしました。
天然のものは全て体に良い、体に悪いものは全て非天然!と言い張る方に私が用意している説明はコレです。
「フグ毒もヘビ毒も天然です。コカインもヘロインも植物原料です」
覚せい剤は「化学合成で作られる」と言われますが、主原料となるエフェドリンは麻黄(マオウ)という植物から抽出されます。
そして麻黄は適量を用いれば咳止めになる、漢方薬です。
いえね、我が家の味の素が切れたのでさっきスーパーで買ったんですけど、聞こえよがしに
「うちは化学調味料なんて買ったことないのよ~」
と言いながら後ろを横切って行った人に遭遇したので、思い出した次第です。
味の素干支ボトル・辰⇩
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