今年も絶賛大流行中:「ノロウイルス」の名前の由来は…
またノロウイルス大流行の季節がやって来ました。
私がここ数日で目にした報道だけでも以下の通りです。
- 唐揚げ弁当でノロウイルス
- 燻製牡蠣のカレーでノロウイルス
- 回転寿司でノロウイルス
- 廻らない寿司屋でノロウイルス
- ちらし寿司弁当でノロウイルス
- ステーキ店でノロウイルス
- スーパーのいなりずしでノロウイルス
- スーパーのおにぎりでノロウイルス
- 弁当業者の配達弁当でノロウィルス
- 旅館の食事でノロウイルス
- ホテルブッフェでノロウイルス
- 施設の給食でノロウイルス
- いちご大福でノロウィルス
あらゆるシチュエーションが網羅されているうえに、デザートまで。
もう何も信用できません。

ところで、このノロウィルスの名前の由来をご存じでしょうか?
別に感染速度が「ノロい」とか、症状の進行が「ノロい」からではありません。
感染速度や症状の進行は、むしろ速い方です。
ノロウイルスは、ピコルナウイルス目カリシウイルス科ノロウイルス属ノーフォークウィルス種、が正式名称です。
ノロウィルスを人間が初めて「発見した」のは1968(昭和43)年でした。。
アメリカのオハイオ州ヒューロン郡ノーウォーク(Norwalk)市の小学校で発生した集団胃腸炎の患者の便から発見されました。
アメリカにはカリフォルニア州、コネチカット州、アイオワ州、ウィスコンシン州にも全く同名のノーウォーク(Norwalk)という町がありますが、オハイオ州のノーウォークです。
画像はオハイオ州ノーウォーク市公式よりお借りしました。


発見されたウイルスは発見地の地名にあやかって
「Norwalk-like viruses」
と命名されました。
和訳が「ノーウォーク様(よう)ウイルス」です。
「ノーウォーク様(よう)ウイルス属ノーウォークウイルス種」がフルネームになります。
ところが2002年に属名だけがノロウイルス属と改名され、種名のノーフォークウイルスはそのまま残されました。
ノロウイルス属にはノーフォークウイルスしかいません。
いわゆる一属一種のため、「ノロウイルス」と言っても「ノーフォークウイルス」と言っても、指すものは同じ。
で、日本ではもっぱら「ノロウイルス」で通っております。
カリシウイルス科は脊椎動物を宿主(しゅくしゅ)とするウイルスです。
ウイルス(細胞構造を持たない微生物)と細菌(原核生物)の違いは、細菌は自分だけでも増殖できるけどウイルスは生きた細胞に入り込まないと増殖できない点。
入り込まれる細胞の持ち主が「宿主(しゅくしゅ)」と呼ばれるわけです。
カリシウイルス科で有名なものには
❶ヒトに感染性胃腸炎を引き起こすノーウォークウイルス(ノロウイルス/NoV)
❷ネコに呼吸器疾患を引き起こす猫カリシウイルス(FCV)
❸ウサギに出血病を起こす兎出血病ウイルス(RHDV)
があります。
画像は公式よりお借りしました。

ヒトを主たる感染源とするノロウイルスは、他の動物の体内にも存在しますが、人の体内ほどの大増殖はせず、軽度の下痢程度は引き起こしても重症化には至らないとされます。
ヒトにターゲットを絞って種特異的に進化しているウイルスと言えます。



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