こんな杜撰な客船には乗りたくない:SF映画「パッセンジャー」
この記事からゆるっと続いています。
SF映画「パッセンジャー」は、亜光速航行でも片道120年かもかる植民星開拓地に赴く移民船(ただし豪華・画像はソニーピクチャーズ公式よりお借りしました)の中での話です。

そのため乗客(移民志望者)も乗員も、人間は一人残らず冷凍睡眠ポッドに入っています。
話は
しかし予期せぬ事故、小惑星群との衝突で次々とトラブルが発生します。
そのトラブルによる冷凍睡眠ポッドの故障で主人公が予定より90年も早く目覚めてしまい、絶望するところから話は始まります。
しかしこの船、一見至れり尽くせりの豪華客船ですが、不測の事態が起きても乗員を起こしてどうにかしてもらう方法が、全く一つも用意されていません。
「故障するはずがない」という台詞が繰り返されますが、故障しない機械などないわ。
機械より遥かに精巧な人体だってすぐ故障する。
ゆえに免疫システムやら細胞のオートファジーやら、ホメオスタシス(恒常性維持機能)やら、不眠不休で働く小さな裏方が山のように用意されています。
それだって追いつかなければ、もしくは老いて機能が衰えればやがて終焉を迎えるのですが。
この宇宙船、「故障するはずがない」というスーパーポジティブ理論で、それらの機能がナッシングです。
どこから湧くんだその根拠のない自信。
恐ろしい。
その「起こりえない」トラブルで偶然で叩き起こされた運の悪い主人公が、偶然エンジニアだったからどうにか対処していき話は進みます。
最後はこの船の核融合エンジンの熱暴走まで、身を挺してどうにかおさめる主人公。
代りに一度死亡宣言されますけど。
しかし、もし偶然叩き起こされた運の悪い乗客が農夫とか助産婦とか、ヒロインのような文筆業(取材目的で乗っていた)だったらどうなっていたか。
乗員5千人全員エンジンの核爆発で、眠ったまま一瞬で宇宙の藻屑。
一択です。
なにこの運任せなセキュリティ。
ヒト型ロボットが一体いて、アーサーという名前のいいヤツなんですが、バーテンダーという機能しか割り振られていません。
ゆえにトラブル対応は一切・何ひとつ・なんにもできません。
そんなことってあるでしょうか?
不眠不休で宇宙船をオペレーションできるロボットもまだ開発できていないのに、外宇宙(太陽圏外)の星に開拓民を送り込む、この蛮勇。
いや普通、亜空間(ハイパー)ドライブのような超光速航法技術を得てからやりませんか?人間の平均寿命より時間のかかる距離の外宇宙航行。
宇宙戦艦ヤマトのワープ航法※みたいなものですよ。
<宇宙戦艦ヤマトのワープ航法>
惑星イスカンダルから供与された波動エンジン(宇宙エネルギーを超光速のタキオン粒子へ圧縮変換して動力を生み出す)が生じる超エネルギーを利用し、空間自体を歪めることで空間を跳躍(次元波動超光速航法)する仕組み。
…と説明されていたけどいまだによくわからんです。
ちなみに「タキオン粒子」は、アメリカの物理学者ファインバーグがSF小説にインスパイアされて1967(昭和42)年に発表した論文「超光速微粒子の可能性」で提唱したもの。
もちろん今でも存在の証拠は何一つありません。
話を戻すと、120年間も宇宙空間で寝続けるんだから、その間にトラブルが生じた場合の対応というのは、契約書に明記されてなきゃおかしいでしょ。
契約書の約款部分が数百ページいく勢いで。
そんな点が曖昧なまま、よく契約したな、5千人も。
ここが気になってしまって、感動的なはずのラブストーリーが全く頭に入って来ませんでしたよ。



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