今日の空>夕暮れ>逢魔が紫
今日の夕暮れ。
雲がほとんどない秋晴れだったため、残照が長かった。
私が東へ向かって歩いたので、すれ違う人たちは西を向いて歩いていた。
彼らの背後の東の空はもう真暗。
そこから現れて西を向く彼らの顔は、残照を浴びて白く浮かび上がって見えた。
民家の白壁も西面だけが蓄光塗料のように薄白く光っていた。
とても不思議な光景。
こういう時間を昔の人は逢魔が時と呼んだ。
人に混じって魔物がいても見分けられないから、うっかり逢ってしまう時間帯。
振り向くと西の空は高貴な紫で、家々は黒い影。
ふと気づく。
すれ違う人から見れば、私も真っ黒な影のはずだ。
魔はどちらだ❓
魔に邂逅したのは私か、彼らか❓
道脇の川を見やると、
黒い川に浮かぶ白い鷺と、天の月の白い影。
どちらが実体でどちらが影か❓
目の前をタヌキが横切った。よく見たら猫だった。
尻尾が割れていたかは、暗さのせいで見逃した。
私は逢魔が時の紫の空が好きだ。
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