多民族多言語地域・欧州で単一言語を強制する危うさ:ウクライナ元議員殺害事件
7月19日にウクライナの元議員(極右派・60歳女性・自称言語学者)が銃撃され死亡したと報じられました。
ファリオン氏は極右政党に所属し、ウクライナ語の普及活動を推進していた。(中略)ロシア語を使う一部の兵士らを「ウクライナ人ではない」と批判し、物議を醸したこともあった。
(上の記事より抜粋)
普及を推進したいのに「ロシア語を使う者はウクライナ人ではない」とか言うのかと驚きました。
これでは「普及活動を推進」ではなく「民族主義者による言語強制、および差別」ですね。
反発を買うだけでしょう。
思い切り「北風と太陽」の北風です。
別記事によると「ロシア語を話す全ての人を殴る」とも言っていたようです。
ウクライナでの第一言語使用率はウクライナ語約68%、ロシア語約30%。
ということは、ウクライナ居住者の実に3割が、この元議員にとっては
「ウクライナ人ではないという理由でボコボコにしてもよい」
存在だったわけですか?
その理屈で言えば、プーチンが
「ならばロシア語話者が多い地域は全部ロシア領土だ。クリミア併合は正しかった」
と大喜びするんじゃないですか?
プーチン喜ばせてどうするんですか??
だからといって銃撃してよいという理屈にはなりませんが、
「環境問題を訴えるためなら美術品を汚損しても構わない系の環境活動家」
に近い人物だったのですね。
国粋主義の代表格と称されるフランスですら、ドイツ系住民の多いアルザス地方ではアルザス語(ドイツ語のいち方言)を公用語として認めています。
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