哺乳類より合理的かもしれない鳥類の子育て
鳥類の場合、晩成性(未熟児状態で生まれてくる)の種では、必ずオスも育雛(いくすう=子育て)に参画します。
ツバメは一組のツガイ(繁殖ペア)が一繁殖シーズン(春から夏)に2サイクルの産卵・子育てをします。
※条件などにより1回のこともありますが、基本は2回。
生まれたヒナは1番子(いちばんし)、2番子(にばんし)と呼ばれます。
日本を繁殖地にしているツバメの育雛数の全国平均は、1番子が4羽/巣、2番子が3羽/巣だそうです。
2番子が少なくなるのは親が疲れるからかもしれません。
ツバメのヒナはウンカ、ハエ、ガ、アブ、羽アリ、カゲロウなどの小さな昆虫を食べます。
1羽が1日100匹以上の虫を食べているという観察結果があります。
つまりツバメの繁殖ペアは、ヒナが4羽の場合、1日400匹以上の餌を巣に運んでいる計算になります。
雛は孵化後3週間で羽が生え揃い、巣立ち雛となります。
しかしすぐに自力で餌を捕るのは難しいため、巣立った後も1週間前後は親鳥から餌をもらいます。
ヒナの食欲のピークは孵化後2週間から3週間にかけて。
このピーク時に親は1時間あたり20回も餌を運んでくるそうです。
夫婦で手分けをしたとしても、それぞれが6分おきに虫を運んできていることになります。
巣を飛び立って、空中で虫を捕獲して、巣に戻って、ヒナの口の中に虫を突っ込んで、飲み込ませるまでが6分です。
合間合間に自分達も食べなきゃ動けなくなりますから、実際の持ち時間はもっとタイトです。
またツバメの食事は噛まずに丸呑みですから(そもそも歯がない)、窒息させないように、親ツバメは子供の成長段階に合わせて与える虫の大きさを細かく調整しています。
「こんなの、夫婦で力を合わせない限りできません」
とツバメは言うでしょう。
ごもっともです。
ツバメの巣立ちまでの生存率は約50%です。
画像はウェザーニュースよりお借りしました。

しかし、同じ未熟児を産む肉食哺乳類のチーターはどうでしょう?
ネコ科の哺乳類は、ライオンを除きオスは育児には一切ノータッチです。
メスのチーターは1回の出産で1~9頭(平均は2~4頭)の子を出産します。
生まれてすぐは母乳ですが、母乳を出すためには母親自身が食事をしなくてはいけません。
なのでメスは草藪の中に子供を隠して狩に出ます。
メスの留守中、子供は声も出さず動かず、気配を消して母の帰りを待ち続けます。
ネコ科哺乳類の子供はは、母親とコミュニケーションをとる時以外の無駄鳴きを一切しません。
鳴いたら外敵を呼んでしまうからです。
しかし黙っていても子の匂いでライオンやハイエナが寄ってきて、子を盗っていきます。
子を盗られないよう、母親は数日おきに子を一頭ずつ咥えて運び、巣を移動させます。
子が母乳を卒業すると、獲物を巣に持ち帰らなくてはならなくなります。
しかし、帰路ではでライオンやハイエナが獲物の横取りを狙っています。
シングルマザーは大変です。
画像はナショナルジオグラフィックよりお借りしました。

ライオンのオスは基本的にあまり働き者ではなく、我が子にも無関心。
子にじゃれつかれても怒らない程度で、積極的に面倒は見ません。
メスたちだけを狩に行かせ、自分は縄張りに残って自宅警備員をするだけが仕事、などと言われます。
しかし、それだけでも子がハイエナに盗られる危険は減ります。
画像はナショナルジオグラフィックよりお借りしました。

チーターの子供の生存率(野生で2歳まで生き残る率)はわずか10〜15%と言われます。
8頭産んでやっと1頭が大人になる確率です。
この幼獣死亡率の高さがチーターを絶滅危惧種にしている要因の一つです。
絶滅したくなければ、オスチーターが心を入れ替えて育児に参画するしかありませんが、難しいようです。

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