野鳥>アホウドリ>驚くべきダイナミックソアリング
アホウドリ。
考えてみれば失礼な名前です。
アホウドリは飛ぶために特化した体をしています。
広げると最大3.7mにもなる翼は、ひとたび海面の気流を捉えれば一度も羽ばたくことなく数千kmも飛べることが解明されています。
画像はコトバンクより。
しかしその長い翼が陸上では邪魔になり、歩く姿はヨタヨタしています。
また体が大きいためその場で羽ばたいただけでは飛び上がることができず、長い助走が必要です。
着地も苦手なので、着地でコケるアホウドリを撮影した「笑いましょう」系のYouTubeもあるようです。
人間に対する警戒心が弱いため、彼らが苦手とする陸上でなら、容易に素手で捕まえることも可能です。
それら全てが人間には間抜けに見えたのでしょう。
しかしアホウドリも己の欠点は自覚していて、観察の結果、繁殖目的でしか陸に降りないことがわかっています。
そのため個体によっては数年間陸に降りることなく空を飛び続けるものもいます。
画像は山階鳥類研究所より。
人間による乱獲で一時は絶滅寸前まで行ったアホウドリですが、野性下でも平均寿命が50〜60年もある長寿な鳥です。
日本人が長寿のシンボルと考え、千年生きると言った鶴の野性個体の寿命は、実は20〜30年。
飼育個体の長寿記録がやっと61歳です。
アホウドリの方が鶴より長生きでした。
人類でも第二次世界大戦前までは「人生50年」でしたから、相当のご長寿です。
またアホウドリの最高齢産卵記録は70歳。
2021年に記録が更新されました。
それまでの世界記録は67歳でした。
つまり人間に比べ健康寿命が長いと言えます。
2021年のナショナルジオグラフィックの記事です。
そして50歳のアホウドリの平均飛行距離は6,000,000kmだそうです。
ロッピャクマンキロ❗️
これだけ飛んだまま暮らすということは、睡眠も飛びながら行っているということです。
同じように滅多に陸に降りないグンカンドリの研究では、脳を半分ずつ眠らせたり短時間全て眠らせたりを繰り返しながら器用に風に乗り続け、睡眠していることが究明されています。
アホウドリもおそらく同じことを行なっているでしょう。
若干古い(2007年)ですがナショナルジオグラフィックの記事です。
グンカンドリの睡眠に関するギズモードジャパンの記事です。
安易に他人に変な名前(渾名含む)をつけると恥をかくという教訓ですね。
気を付けたいです。
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