<前編>24年醸造して言う「世界に一つだけの花」は植物学的に大間違い
このブログの読者の中には、わたくしエンドウミリエは頭に浮かんだ不平不満や意見は全て即時に言語化していると思ってらっしゃる方も多いと思います。
そう思われても仕方のない言動(記述)を多くしているので、それは仕方ない。
だから、そう思ってくださっても、ぜんぜん良くってよ。

しかし、長年ずっと思ってはいるけどまだ言語化していないことも、実はけっこうたくさんありますのよ。
今日は、24年間!!言語化(明文化)してこなかったでっかい不満を、とうとう吐き出しますわ。
準備はよろしいかしら?
主題は・・・この記事のお題でとっくにバレバレですわね。
「世界にひとつだけの花」(スマップ/2002年/作詞作曲:槇原敬之)ですことよ。
歌詞⇩
この歌が嫌いという意見は、ネット上に根強くあります。
中でも多いのはこういった趣旨の意見です。
⇩
「花屋の花はもともと専門の花卉農家が栽培して、綺麗なものだけ選別して出荷して、花卉市場で綺麗なものだけ選別して競り落とされて、ようやく花屋の店先に並ぶエリート。
売れ筋の花しか並ばないし、バケツの中で傷んだら取り除かれる。
売れ残ったら処分される。
そもそも花屋の花はニンゲンの好みに合わせて品種改良されまくった、いわば整形美人。
雑草の花なんて、最初から売られない!!」
大変ごもっともなご意見ですこと。
※お嬢様口調は疲れるので、ここから普通の口調に戻します。
上のよくあるご意見には、私も100%同意します。
でも私がこの歌を初めて聞いた時に思ったのは、そして24年間ずっと普遍に思っているのは、コレジャナイ。
「botanically(植物学的に)incorrect(正しくない)」です。
「biologically(生物学的に)incorrect(正しくない)」と言ってもいいです。
そもそも、花とは何か。
顕花植物とは何かを、この槇原敬之氏は全くわかっていない。
高校で生物を選択しなかった人でしょうか?
顕花植物(けんかしょくぶつ)とは花を咲かせ種子を実らせ、その種子から新しく発芽して繁殖する植物の総称です。
種子植物、被子植物とも言います。
顕花植物が現れたのは、約1億4,000万年前の白亜紀の初め頃です。
最初にズバリ記しておくと、顕花植物の花は植物の生殖器官です。
雄しべと雌しべさえあれば、ひとつの花の中でも受粉自体はできます。
自家受粉です。
しかし自家受粉を繰り返すと遺伝的多様性が低下し、病気や環境の変化に対し弱体化していきます。
それを防ぐために、植物は距離的に離れた(つまり遺伝子的にも離れた)個体と受粉したがります。
ひとつの方法が風媒(ふうばい)といって、風で花粉を飛ばすもの。
今でもスギやヒノキがこの方法を採用しています。
しかしこれはどこに飛ぶかわからないので大量の花粉をに飛ばす必要があり、効率が悪い。
そこで登場した、より進化した方法が虫媒(ちゅうばい)・鳥媒(ちょうばい)です。
昆虫類や鳥類などの「送粉者(花粉を身体に付けて花から花へと運ぶもの)」を利用して花粉を運ばせ、確実な受粉につなげる生存戦略(誘因戦術ともいう)です。
日本で見れる代表的な鳥媒花にはツバキ・サザンカ(どちらもツバキ科ツバキ属の近縁種)があります。
メジロやヒヨドリなどを送粉者として利用、共存しています。
画像は東山動物園よりお借りしました。

「送粉者を引き寄せるために」より目立つ花を作り出し、その色や形、香り等を「送粉者好みに」工夫して進化を続けた結果が、現在の多種多様な花です。
花はこの誘因戦術で競っています。
ただのほほんと「咲いてさえいればいいんだわ~」「咲いてるだけでオンリーワンだわ~」と自己満足しているわけでは決してありません。
送粉者である昆虫類と鳥類に共通しているのは「紫外線が視える」ことです。
ニンゲンには視えません。
そのため紫外線を反射し、ターゲットにだけ見える誘因模様を、多くの花は持っています。
それが見えない人間からは「無心に、競いもせず咲いている」と勘違いされるのかもしれませんが、競ってます。
競い合っています。
長くなってきたので後半に続きます。



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