台湾映画「星になるまで」
原題：為你存在的每一天

❶はこちらです。

シャオチン

主人公。

やっと成人した？くらいの知的障碍者の女性。

母親は既に亡く、実の父親は不明。

言動を見る限り知能は5歳児の娘未満。

ソーシャルワーカーが、障碍者手帳や障碍年金の申請よりもまず一番に「低所得者向け支援金が必要」と口走るのが（？？？）。

シンシン

主人公の娘。

5歳だが幼稚園などへは通っていない。

年齢以上に精神年齢が高い女児だが、母や自分が何故周囲からイジメられるのか？に対しては、母の作り話

「私たちは宇宙人だから。地球人と違うから理解されにくいだけ」

をまだ信じている。

ジミン

20代後半？くらいのソーシャルワーカーの男性。

既婚でシンシンと同じ年くらいの男児（自閉症※）あり。

お勉強はできたのだろうなという感じだし、とてもまっすぐな性格なのだけど・・・。

※自閉症：現在の日本では自閉スペクトラム症またはASDと言いますが、映画の字幕が「自閉症」と出たのでその通りに書きました。

👆知能5歳未満のシャオチンがいつもきれいに化粧をして、髪もなにげにきちんと内巻きボブにしてるのが不自然で気になる点ではあります。

（もっとノーメイクっぽくした方が良かった）

シャオチン母娘が住んでいるのは、廃墟同然の、半分崩れかけたような物置小屋です。
大家のおばさんの好意で無料で住まわせてもらっている様子です。
冷蔵庫とガスコンロはありますが、TVやお風呂はありません。

おなか空いたね～とキャベツの葉を刻みだす母。
メチャ固そうな外葉だけです。

母は市場の下働きのアルバイトをして、捨てられたクズ野菜を拾って帰って食べているようです。

朝は5歳の娘に起こされて、娘を連れて市場に出勤する母。
毎日遅刻しているようで、雇い主（市場の隅を借りている個人経営の八百屋）には厄介者扱いされています。

仕事はパートタイムの野菜運びや外葉むきや段ボールの片づけ（集積所に持っていくだけ）。
子どものお手伝い程度の労働力です。

人懐っこいのは良いんですが、人を疑うことを知らず危うすぎる母。

公園のホームレス男性（初対面）相手に「お金を稼ぎたいの」と言い「じゃあこっちにおいで（下心ありあり）」と誘われると嬉々として付いて行こうとする危うさ。

5歳の娘の方が「怪しい人に付いて行っちゃだめ」と止めて、何とかセーフ。

「アイ・アム・サム」のサムは「7歳児程度の知能」という設定で、もう少しそつのないふるまいもできていたのですが、この母の知能は本当に5歳児未満のようです。

・・・これでよく子供が一人で済んでるなあ、と冷や汗がタラタラ出る💧危うさです。

そこへ、ご近所からの通報でやって来たケースワーカーの若いお兄さん、ジミン。
正義感に燃えているのは良いんですが、大家に

「シャオチンは一日4～5時間市場でアルバイトして、日給200元（今日のレートで880円）もらっている」

と聞くと、職場まで付いて行って雇い主に正面切って
「最低賃金以下で働かせていますね。労基署に報告しますよ」
とか言いなさる。

台湾の最低賃金は、この映画が公開された2019年だと時給150元（600円）です。
（今年は168元に上がっています）

しかしシャオチンのできる仕事内容は、本当に子供のお手伝い程度のことに限られています。
日本でいうなら、共同作業所B型未満の内容です。
つまり、いなくても店主は一向に困らない。
代りの人を雇う必要すらない。

B型共同作業所の給料（工賃と呼ばれます）は最低賃金の適用外です。
そのため、日本ですら平均月額工賃は15,000円程度が実情です。

そんな状況にお構いなく
「健常者の最低賃金を支払わなければ、労基署に通報するぞ」
では・・・

「じゃあ辞めてもらう」となってしまうのではないでしょうか。

お兄さんも別の意味で危うい。

と思ってたら案の定、どんどん状況が悪化する負の連鎖が始まって・・・。

やっぱりキツイ。

「アイ・アム・サム」を知っていると、アメリカと台湾の福祉制度の差を突き付けられる感じもします。

日本はどうなんでしょうか。

これ以上はネタバレになりますので控えます。
決してお勧めはしませんが、ご興味の湧かれた方は👇こちらから。
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星になるまで

Video On Demand

※画像は2枚とも映画Natalieより。