英国あるある❸>ロンドンの交通系ICカード 割引率が6割のクレイジーさ
日本のICカード乗車券事情
JR東日本が非接触型交通ICカードSuica(スイカ)を導入したのは2001年でした。
対抗して関東の私鉄・バス事業者がPASMO(パスモ)を導入したのが2007年。
とはいえ互換性があり、使える店も全く同じなので、1枚あれば十分。
2021年に行われた首都圏一都三県(東京都/神奈川県/千葉県/埼玉県)在住の30~50代主婦(つまり通勤定期を持たない)中心の1,000人対象アンケートでの交通系ICカード所有率は、76%と出たそうです。
ということは勤め人ならほぼ100%でしょう。
※日本全国の非接触型交通ICカード(の一部)
画像はトラベルウォッチより。
しかし日本の非接触型交通ICカードは、乗り降りは便利なのだけど運賃の割引率はささやか。
例)荻窪駅から東京駅
- JR :切符310円IC308円(2円割引)
- 地下鉄 :切符250円IC242円(8円割引)
これなら回数券の方がまだ安いじゃないですか。
割引率なら回数券の方が安いけど…!
東京メトロの場合回数券には3種類あって、一番お得な土日割引回数券なら10枚の値段で14枚出て来る。
つまり荻窪➡東京なら178.5円。
四捨五入して179円と考えて71円の割引。
こちらの方が断然おトク。
し・か・し。
JR東は今年2022年9月30日で回数券の発売を終了してしまいました。
https://www.jreast.co.jp/press/2022/20220426_ho01.pdf
噂によるとJR東海、JR四国も同タイミングで発売終了したらしいです。
そしてJR西日本とJR九州は一年早く(2021年9月30日で)廃止済だとか。
もはや回数券が使えるJRは北海道だけ。
OMG!
救いは東京23区ではJRよりもサービスの良い東京メトロがまだ回数券絶賛発売中なこと。
ゆえに私は休日に定期外の所に遠征散歩に行く時には今でも回数券を活用しております。
おっと日本の(関東の)話が長くなってしまいました。
ではイギリスはどうでしょう。
英国(ロンドン)のICカード乗車券事情
ロンドンで非接触型交通ICカード・オイスターカード (Oyster Card) が導入されたのは2003年。
※下は2012年にボリス・ジョンソン ロンドン市長(当時)がエリザベス女王にプレゼントした、特別デザインカード。
残念ながら一般発売はされていません。
特筆すべきはその割引率。
例えば日本でいう初乗り運賃に相当するzone1料金が、切符£6.3オイスターカード£2.5(2022年3月値上後の最新料金)。
驚異の6割引。
正気か?
とはいえ基本料金が£6.3、つまり本日のレート£1=¥168で計算すると
地下鉄初乗り1,058円
そもそもがクレイジーすぎる。
IC割引で£2.5つったって420円。
正気か?(2度目)
円安も影響してロンドンの物価は東京の倍ぐらいですから、実質210円と考えるとまあ納得するしかないのですけど。
ロンドン交通局=とんでもない策士
実はこれ、オイスターカード導入時にロンドン交通局がICカード普及戦略として現金(紙の切符)の値段を一気に吊り上げたためらしいのです。
ICカードを使えばそれまでの料金水準、使わなければ大損、という設定にして市民の迅速な乗り換えを狙う。
考えた人は非常に策士ですが、よく反対されなかったな。
この思い切った手が功を奏したか、2018年時点でオイスターカードの発行枚数は1,000万枚を突破しているとWikipediaさんがおっしゃってます。
ロンドンの人口は2019年の公式発表で898万人。
旅行者なども買っているはずなので断言はできませんが、100%近い普及率を達成しているのではないでしょうか。
私が数年前(正社員になる前)に1か月ほど滞在した時も、毎日出歩きましたが駅で切符を通してる人は見ませんでした。
バスに現金で乗って来た高齢者を一度だけ見たくらいです。
バス料金も今年の最新料金ですと現金£2.4(¥403)~(距離制)/オイスターカードだと一律料金になり£1.5(¥252)です。
そして、紙切符で困ることはもうひとつあります。
英国の伝統芸であるこちら👇。
乗越の観念が根本的にない
ではのりこしてしまった場合はどうなるの?
については❹に続きます。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。