マンガ書評>⑯「東京ノラ」都心で逞しく生きる野良の生き物たち
ナンバリング&再公開です。
初公開:2021/8/22 21:00
データ
出版社 :講談社
種別 :KCデラックス(既刊1巻・続刊中)
タイトル:東京ノラ
作者 :アリムラ モハ
ジャンル:動物コメディ
掲載誌は「なかよし」でした。
「なかよし」がこんな社会派になったなんて。
感慨無量です。
あらすじ
コンクリートジャングルとか、東京砂漠とか、
都会の絵の具に染まらないで帰って❗️とか。
- 東京砂漠
- テイチクレコード
- Digital Music Purchase
- 木綿のハンカチーフ
- Sony Music Labels Inc.
- Digital Music Purchase
えらい言われよう💧な東京都の都心部にも、
目を凝らし、耳を澄ませば、
多様な野性動物が息づいています。
野良犬はほぼ見かけなくなりましたが、
まだまだいる野良猫。
嫌われ者のカラス。同じくハト。
山手線の外側の23区で目撃情報の多い、アライグマやハクビシン。
彼らのサバイバルな日常を、ギャグマンガタッチで描く作品です。
主人公は野良猫。
名前など、あるはずもありませんが、自称は「ノラ」。
首に巻いている風呂敷は、亡きお母さん猫の形見です。
お母さんは昔人間に飼われていたことが示唆されます。
でも、幼い主人公を連れた時点で野良猫でした。
もしかしたら、望まぬ妊娠を理由に捨てられたのかもしれません。
お母さんを亡くしたあと、ひとりで逞しく成長したノラ。
今日も東京の片隅で、たくましく、したたかに生きています。
評価
🌟🌟🌟🌟(5点中4点)
ひとこと
ふんわりした絵柄や、のんびりした台詞回しに騙されてはいけません。
彼らの厳しい生存競争が、シビアな観察力で優しく簡潔に描かれます。
この作者は多くを語りません
ほとんどを読者の想像に任せる手法です。
私は、さあ感動して❗️と言わんばかりの、あざとい演出は苦手です。
本作のような、さりげない作風を好みます。
お母さんは、まだまだ幼い主人公を残して、不慮の事故で亡くなります。
Amazonのレビューを見ると、可愛い絵柄に騙されて読んでたら、お母さん急逝のエピソードで不覚にも泣いた❗️という人がたくさん。
さあ感動しなさい❗️系の作品では、涙の代わりに
「ケッ❗️」という声しか出ないという、大いにスレた💧私でも、
思わず涙が出ちゃう。
だって、女の子だもん❗️
👇ご興味の湧かれた方はどうぞ。
続編が待たれます。
2023/5/26追記
この後2022/2/20に2巻(完結巻)が出版されましたが、残念なことに電子版のみの発行でした。
1巻の売上が良くないと続刊が電子版のみになるケースが最近増えています。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。