こちらから続いています。

「偽逮捕状詐欺が横行している」という報道ですが、読むと詐欺グループの用意している筋書きが非常に稚拙です。

❶では「『逮捕状（緊急逮捕）』がLINEで送られてくる」のどこがどう嘘なのかを解説しました。

❷では「『保釈金を払えば逮捕されない』と言われて指定口座に大金を振り込んだ」のどこがどう嘘なのかを解説します。

保釈金は保釈後に裁判所に対して払うもの

保釈とは「保釈金を納めることにより、勾留中の被告人の拘留を解く（釈放する）こと」

もうこのひとことに尽きます。

逮捕されて、拘留されて、起訴された後に初めて申請できます。

保釈請求書に加えて、
「身柄を釈放されたからといってこれ幸いと逃亡したり、証拠隠滅を働くようなことは決して致しません」
と証明するために、以下のような書類を添えて申請します。

• 身元引受人による「身元引受書」
• 釈放後に住む場所を明らかにするための「住民票」（判決が出るまでは住所変更が制限される）
• 誰かが責任をもって被告人を監督することを記載した「上申書」
• 被害者との間にもし示談が成立している場合は「示談書の写し」

など。

「金を払えば逮捕自体を見逃してやるよ」ではありません。

それはただの袖の下です。

また保釈金は裁判所に対して支払います。
警察に対してではありません。