何故「飲み込む」は英語で「swallow 燕」なのか?
この記事から続いています。
この記事で、映画のオープニングテーマ曲「男はつらいよ」のこの部分
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「男というもの辛いもの 顔で笑って 顔で笑って腹で泣く 腹で泣く」
の英語版が
「A man should smile swallowing his tears. 男とは、涙を呑み込みながら笑うもの」
だと書きました。
swallowは英語で「飲み込む」という意味の動詞です。
swallowingになると「嚥下(えんげ)」という名詞になります。
swallowといえばツバメです。

なぜ英語では「飲み込む」と「ツバメ」が同じ単語なのでしょうか?
これは、人家の軒下(人間からなるべくよく見える、出入り口などの上をわざと選ぶ)に営巣・育雛(いくすう)するツバメの習性が関係しています。
ツバメが「常に人間から見える場所」に意図的に営巣するのは、ツバメの天敵(カラスや猛禽類、ヘビなど)が人間の視線を嫌うためです。
常に人間の視線のある場所で子育てをすれば、人間に見つかることを嫌う天敵が近寄りにくい。
自分たちツバメは益鳥(人間にとっては害虫の昆虫類を捕食するので、洋の東西を問わず世界中で益鳥扱い)なので、人間の目につく所にいても迫害はされないから大丈夫。
自分たちの天敵の多くは人間が害獣・害鳥扱いしているので、人間は天敵だけを追い払ってくれる。
以上のことをきちんと理解しているのです。

鳥類は、小柄なため脳も小さいと思われがちです。
しかし「体重に占める脳の重さの比率」は、実は哺乳類に肉迫しています。
体重500gの平均的な哺乳類の脳の重さは5.73g。
体重500gの平均的な鳥類の脳の重さは4.69g。
体重500gの平均的な魚類の脳の重さは0.59g。
鳥類は、体格の割には大きな脳を持っているのです。
そういうわけでツバメは「全ての因果関係を理解したうえで」人間の近くに営巣します。
人間は、自分の家などその建物に出入りするたびに、いやおうなしに燕の子育ての様子を観察することになります。
ツバメのヒナは口が裂けんばかりの大口を開けて親を待ちます。
親は捕ってきた虫を、ヒナの口の中に自分の頭を突っ込む勢いで押し込みます。
ヒナはそれをごくんと丸呑みします。
画像は東京新聞よりお借りしました。
寅さんの故郷・柴又駅に営巣したツバメだそうです。
生まれも育ちも葛飾柴又⇩

そこで西洋人は発想しました。
「swallowing…(嚥下/丸呑み/鵜呑み)」
実は、全く同じことが東洋でも起こりました。
嚥
訓読み:のむ(嚥む)
音読み:えん
口偏に燕(ツバメ)と書くのは、ツバメのヒナが口を大きく開けて親鳥からエサをもらい、飲み込む様子に由来。
国際郵便も電話もインターネットも何もない遠い昔、西洋と東洋で、全く同じ感性から、打ち合わせなしで、非常によく似た単語が爆誕したのです。
不思議ですね。
画像はウェザーニュースよりお借りしました。


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