年寄の冷や水ならぬ年寄の二階席〜シニアロンドン一人旅
私は二階建てバスの二階席を愛して止みません。
二階への階段を登る時はまだいいのですが、降りる前に走行中のバスの階段を下るのは、60過ぎの身には少々キツい。
こう書くと
「バスが完全に止まってから席をお立ちくださいってアナウンスしてるでしょ!?」
と日本の皆様に怒られそうですが、あのアナウンス流してるの、ほぼ日本だけです。
乗客が乗り込み終わってドアを閉めた後も、空席がある場合最後の乗客が席に座るまで発車しないのも日本だけです。
日本の路線バスの運転士は、高齢者が空席に座らずに立っていると「座ってください」と車内アナウンスまでしますものね。
繰り返しますが日本だけです。
日本で路線バス運転士のなり手が減少してるはずですよ。
自分の意思で勝手に立ってる高齢者すら、座るよう説得するまでが仕事なんて、ストレスフルもいいとこですわ。
二階建てバスが主流の英国及び香港では、扉を閉めたら即発車します。
降りる時も、バスが止まってから階段を降りていたら、降り終わる頃にはもうバスは発車してます。
なので二階の乗客は自分が降りたい停留所が近づくと、そこに停車する前に一階に降り切れているように、走行中に階段を降り始めます。
大いに揺れるバスの階段を降りる自信がない人は、初めから二階に上がらないことが不文律です。
なので、時には一階は満席で立ち客もいるのに、二階は空席があることがあります。
基本的に次のバス停の名前くらいしかアナウンスしない(日本のような沿線企業の広告アナウンスも皆無)なロンドンバスが、その時だけはこうアナウンスすることもあります。
「二階にはまだ空席があるから、もし可能ならば二階もどうぞ」(意訳)
それでも英国人シニア(英国では60歳以上がシニア扱い)の皆さんは、ほぼ大人しく一階席をご利用なさってます。
しかし何せ二階建てバスを偏愛する私ですから、そこは無理矢理にでも二階に行くわけです。
そうやって揺れまくるバスの階段を、毎日何度も昇降し続けてたら、とうとう昨日、右ひざに軽い痛みを感じ始めました。
くっ…。
それでも今日もまた電車ではなくバスを使う私。
だってロンドンの地上線電車の線路って、たいてい宅地や道路より掘り下げられてるし、左右に緑地帯が設けられてるせいで、ほぼ景色が見えないんだもの!
景色が見えないとつまらないですもの!
そして、バスに乗るとやはり条件反射で二階を目指す私。
だって一階と二階じゃ景色が違い過ぎるんですもの!
同じ料金と思えないくらい眺めが違うんですもの!
1乗車1.75ポンド350円もするんだから、景色を楽しみたいんですもの!
というわけで、今も右ひざが軽く痛いです。
私が右ひざを庇ってソロリソロリとバスの階段を降りていると、日本人よりは老女に優しい英国紳士の皆さまは、ぬるーく親切にしてくれます。
その話また別記事に書きたいと思ってますが、年寄の冷や水ならぬ年寄りの二階建てバス。
あと5日、最後まで二階通いが続けられると良いな。
⇩これは廃バスを利用した店舗です。




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