マンガ書評>㉞東條さち子作品群一挙レビュー<前編>赤んぼと不動産投資編
ナンバリング&再公開です。
初公開:2023/01/03 08:00
1月3日の記念日「瞳の日」にちなんで、東條さち子氏(マンガ家)のマンガ(実録コミックエッセイ・主に4コママンガ)単行本一挙レビューです。
この人に注目したのはまず赤んぼシリーズでした。
「極道!赤んぼダイアリー」
一人娘の瞳子(トーコ)ちゃんのことが描かれています。
1巻は2007年、2巻は2009年発行。
その続編「赤んぼってみんなカワイイの?」は2010年「赤んぼってみんな天使なの?」は2013年発行です。
この頃日本では「育児マンガブーム」が起きていました。
「私の赤ちゃんはこんなに可愛くて素敵」
「見て見て私の可愛い天使のような赤ちゃんを!!」
調の似通った育児マンガが次から次と発行される中で、我が子を「赤んぼ」と呼び、
「赤んぼはみんな天使だとか、皆さん本当に本気で思ってますか?」
と問いかける姿勢が非凡で強烈でした。
☟「母乳が不味かったらしく、離乳食に超食いつく赤んぼ」という他の育児マンガには絶対描かれないであろう事実。
我が子を一歩引いたところから観察しているような視線。
この頃育児マンガと並行してインコマンガも出している東條氏。
両方を読むと、インコと我が子を同じ距離から観察しているような印象を受けます。
<実話エピソード>
「極道!赤んぼダイアリー①②」は通販ではなく書店で買いました。
大型店舗だったため最初うまく見つけられず、既婚女性とおぼしき店員さんに場所を聞いた時の会話。
私 「探してる本のタイトルは『極道!赤んぼダイアリー』です」
店員「はい『極上赤んぼダイアリー』ですね(カウンター端末検索)出てきませんねえ」
私 「ゴクジョウではなくゴクドウだからです」
店員「ですから、ゴクジョウ・・・」
私 「ゴ・ク・ド・ウです。極道(メモに書いて見せる)」
店員(ポカーン)
「極道」と「赤んぼ」が繋がるなんて信じられないと言いたげな顔でした。
・・・無理ないか。
結局自力で探しました。
そして次に2014年から2016年にかけて出したのが「主婦でも大家さん」シリーズ計3冊。
これはいわゆる素人による不動産投資の実録書です。
なのですが、もう、何と言ったらいいのでしょう。
普通の不動産投資ハウツー本のセオリーに全て逆張りをかますかのような破天荒さ。
頭金100万円程度の資金で、次から次と3棟ものアパートを一棟買いしていく信じられなさ。
そして大半の読み手に「この人、不動産経営は完全に失敗してるよね」「反面教師にしよう」と思わせながら、紙一重のタイミングで一気に売り抜き、損を出さない強運さ。
3棟を売却した後は夫と娘を置いて、一人で世界一周旅行。
世界一周から帰国後は、3棟を売却したお金を元手に
「スリランカでホテル経営(海外不動産投資への乗換)をするためスリランカへ移住」
・・・休む間もなき飽くなき攻めの姿勢。
実録ですよ、全て実話。
この行動力、いったいどこから???
普通、マンガ家ってインドア派オブインドア派なのに。
そしてこの方は、一人娘のトーコちゃんの教育に対する考えもかなり独特。
長くなってきたので❷教育とスリランカ編に続きます。
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