マンガ書評>㉞東條さち子作品群一挙レビュー<後編>教育とスリランカ編
ナンバリング&再公開です。
初公開:2023/01/03 09:30
こちらから続いています。
トーコさんは小中は日本のインターナショナルスクール(上に貼った著書で言うところの「セレブ学校」:日本政府からの補助が一切ないため学費がバカ高いから)通い。
高校はフィジー大学はカナダ(同「セレブ留学」)と、「日本の学校」には1日たりとも通ってない徹底ぶりです。
高校までは無償で行けるこのご時世に、日本政府からの教育費の助成をびた一文受けていないわけです。
❶でご紹介した「主婦でも大家さんシリーズ」では、不動産投資のセオリーを無視しまくる逆張り大家っぷりに、読者からは
「こんなの不動産投資としては完全に失敗している」(不動産投資経験者)
「真似したくない」(不動産投資未経験者)
「反面教師として読むなら良書」(両方)
などとさんざん言われてる東條氏。
※ソースはAmazonレビュー及び5ch。
しかし「自転車操業も甚だしい。黒字出してない。失敗例だ」と言われながらも、年間数百万✕16年の学費を、4コママンガ業(大手有名出版社ではないため高額印税が入るわけではなく、もちろんアニメ化やグッズ化等とも無縁)と素人大家業で捻出しています。
ご主人もいらっしゃいますが、タクシーの運転手をしたり派遣(製造業)をなさったりのご主人の収入は、お嬢さんの学費とトントンぐらいでは思われます。
「グローバルな生き方をしている日本人女性マンガ家」
というと必ず名前が挙がるのはヤマザキマリ氏です。
私はもちろんヤマザキマリ氏も好きですし、凄いと思っています。
ただ、彼女の場合はご主人がよその国の大学から引き合いがかかるような優秀な学者。
ご主人の帯同家族としてあちらの国こちらの国と住まわれている面がありますね。
いや、そんな優秀な男性(しかもかなり年下)から恋煩いで入院された(しかもヤマザキさんは別の男性との同棲中にできた息子を持つシングルマザーだったにもかかわらず)から結婚した、というほど魅力的な女性だということがまず凄いと言われればそうなんですが。
しかし東條さち子氏は不動産投資も娘の教育費も海外移住も、ご主人に頼らず自分で元手をひねり出して実行しています。
この方、ジャンプやモーニングといった発行部数の多い(売れる)雑誌で描いているわけではありません。
発行部数の少ない、いわゆる実話系4コマ雑誌が主媒体です。
出版社からして講談社だ集英社だといった大手ではなく、ぶんか社や竹書房といった中小どころです。
にもかかわらず一家の大黒柱となり、これだけ稼ぎだせるのはすごいの一言です。
そして子どもの教育費にここまでつぎ込んだ理由が、ただ一つ。
「子どもに自己肯定感を持たせるため」
これだけ。
トーコさんはカナダの大学を卒業するも現地での就職が上手くいかず、ベーカリーショップ店員をされているように描かれています。
が、それも「自分を否定せずに生きてくれればそれでいい(意訳)」と言い切る太っ腹さ。
そしてそれと並行して、自身はスリランカに移住しての海外不動産投資。
スリランカといえば昨年度国単位で破産しました。
しかしご本人のTwitterを見たら、なんだかんだ言いながら今もまだ現地在住でゲストハウス経営を続けてらっしゃいました。
とにかくこの人の破天荒ぶりからはまだまだ目が離せません。
画像はサイゾーウーマンより。
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