HSS型HSP🌏Millieの脳内世界

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It is getting hotter.
Be careful not to eat too much cold food.
This year's ducklings will hatch soon.
How many ducklings will we see ?

勘違い和製英語の極め付け・ターボガン:ターボにそんな意味はありません


サイコガンの類ではありません。


⬇︎サイコガン画像はd アニメストアより。



昨年末頃にあちこちの反ワクチンブログやSNSに上がった「ターボ癌」という新語です。


中には自称医療従事者や自称医師までいました。
真偽はわかりませんが。



「我が子がコロナワクチン接種の副作用でターボ癌になったから助けて」


というクラウドファンディング詐欺のようなものまであったようです。


どうやら進行が「めちゃくちゃ速い(ターボがかかっている)癌」と言いたいようです。




みなさま、ターボの意味をご存知ですか?


ラテン語の 「乱流、渦」が語源です。
ギリシャ語のサイクロン(渦、旋回)と似た言葉です。


turbo を英語辞書で引くと、ひと言そっけなく「(形)タービンの」としか出ません。


ではタービンとは何かというと、流水/蒸気/ガス/空気などの作動流体が持つ運動エネルギーを回転運動に変え、動力として利用できる機械のことです。


またターボチャージャー(turbocharger)は、排気の流れを利用してコンプレッサ(圧縮機)を駆動して内燃機関が吸入する空気の密度を高くする過給機のことです。


⬇︎ターボチャージャー画像はWikipediaより。


ターボエンジンは、ターボチャージャーを搭載したエンジンのことです。
元は航空機エンジンの技術で、それが自動車に応用されました。


普通は捨てている排気ガスのエネルギーで小さなタービンを回し、その力で燃料をエンジンに押し込んでエンジンをパワーアップさせるという仕組みです。


ターボエンジン車の登場で、日本ではターボ=スピードアップ/パワーアップという誤認識が発生します。

  • 何らかの方法でパワーアップしたものに「◯◯ターボ」という名称をつける。
  • 何かに拍車がかかった状態を「ターボが掛かる」と表現する。
  • スピードアップしたものに「ターボ〇〇」という名称を付ける


メタボリック(代謝の)シンドローム(病気)からメタボ=肥満という間違った和製英語が爆誕したのと同じ構造です。


ターボ(流体)エネルギーを利用したチャージャー(燃料供給機)からターボ=ハイパワー/ハイスピードという間違った和製英語が爆誕したわけです。


ここまで読めばご理解いただけると思います。


ターボの意味する部分は「流体」だけ。


まともな医師(当然英語の成績も良かったはず)が「進行の速い癌だからターボ癌だ!」などという恥ずかしい名前を付けるわけないだろうということに。


じゃあサイクロン癌もOKですか?とそういう人に問えば多分こう返ってくるでしょう。


「何それ?掃除機?バッカじゃないの?」(或いは「不謹慎ですよ」)




実生活で私がこういったうんちくを口に出すと、


「そんなの知ってたからって生きてく上じゃ(或いは仕事じゃ)別に役に立たないよね。覚えたらモテるわけでもないしwww(だから私は覚えませーん)」


みたいな反応を返す人がけっこういらっしゃるのですが、こういう胡散臭いフェイク情報を見破れる・たやすく騙されない、という点でちゃんと役に立っております。



「進行の速い癌」を翻訳ソフトにかけたところfast-growing cancerと出ました。