結晶化は純粋な蜂蜜の特徴です(前編)
私は結晶する蜂蜜が大好きです。
よく買うのはオレンジの花の蜂蜜、菜の花蜂蜜、レンゲ蜂蜜。
この三つは特に結晶しやすいです。
しかしレビューを見ると「固まって使いにくい。もう買わない」とか「届いた時から固まってて使いづらかった」と書いてる人が少なくなくて驚きます。
もっと凄いと「固まった状態で届いた。古いのを送られた?」とか「混ぜ物が入ってる?」「偽物?」と書いてる人まで散見します。
蜂蜜=トロトロしているもの!という思い込みです。
パンケーキシロップと勘違いしてますよ…。
蜂蜜が結晶するのは、蜂蜜に含まれるブドウ糖が低温(目安は13度以下と言われる)で固まる性質を持っているためです。
通常、蜂蜜の原料となる花の蜜にはショ糖(単糖類のブドウ糖と果糖が結合した二糖類)が含まれています。
中でもブドウ糖は過飽和(溶液中に溶解度以上の物質が含まれている、限界突破)と言われる状態まで含まれています。
アカシアの蜜は例外的にブドウ糖が少なく果糖が多いため、アカシア蜂蜜は「純粋であっても結晶しにくい蜂蜜」として知られます。
とはいえブドウ糖がゼロではないので、長く保存しているとゆっくりゆっくり結晶します。
普通は結晶が始まる前に食べきっているから気付かないだけです。
それ以外の純粋蜂蜜は、採蜜して瓶詰めする間にも結晶化を始めます。
すると瓶に詰めるのが手間になるため、低温加熱処理をして溶かしてから瓶詰する製造元が多いのです。
そのため、店に並んでいる状態では、たいていの蜂蜜はトロトロです。
これを「無加工の、自然な状態」と思い込んでいる人が、買った後で再結晶を始める蜂蜜を見ると驚いて「古いのを買わされた?」とか「混ぜ物が固まってきた?」「偽物?」とレビューやクレームを行ってしまうわけですね。
一方で、少数派ですが店先や、通販であれば商品画像の段階でもう堂々と固まっている商品があります。
下は私が愛用しているイタリアのMieliziaの有機オレンジ純粋蜂蜜です。
商品画像が既に白濁してます。
赤文字のARANCIO SUD ITALIA(南イタリアのオレンジ)の下に、黒文字でNON PASTORIZATTO(非加熱処理)というイタリア語が見えます。
「加熱処理してない」=生蜂蜜です。
低温(50度以下)とはいえ加熱処理を施すと、蜂蜜特有の栄養分は半減します。
「売られてる時から固まっている」のは、栄養分が壊れていない証です。
長くなってきたので、一回続きます。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。