HSS型HSP🌏Millieの脳内世界

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心理学>「ロー・ボール・テクニック」:依頼のテクニックsideC






ロー・ボール・テクニック low ball technique(特典除去法/承諾先取法)


最初に好条件を提示して相手の承諾を得た後に、悪条件を付け加えたり、好条件を取り除く手法。


条件や要求をボールにたとえ、「相手が受け取りやすい低いボール(low ball)から投げる」ところから命名。



画像は日刊スポーツより。


例えば、格安のランチの看板を見て初めてのレストランに入店したとします。


着席し水やおしぼりを出された後で「安い方のランチは売り切れました」と言われたらあなたはどうしますか❓


残ってる高いランチメニューは予算オーバー。
ランチの看板に「売り切れました」表示を何故出さないんだ。


・・・等々と思いつつも、実際に「ではけっこうです」と席を立てる人は勇者です。
「たまの贅沢」と自分に言い聞かせて予算オーバーの高いランチを注文する人が多いでしょう。



私も若い頃は「ではけっこう」ができませんでした。


しかし「勇者たれ」と自分を鼓舞し続け、結婚した後くらいから「それではまた別の日に出直します(にっこり)」と席を立てるようになりました。


というか「Aランチまだありますか」と確認しない限り着席しない、を心がけています。


忙しくて売り切れ表示を出しそびれていたという所はまだしょうがない。
しかし中には意図的な所があるようです。
いわゆる「ぼったくり店」ですね。


ロー・ボール・テクニックに関しては、アメリカの社会心理学者ロバート・B・チャルディーニがアリゾナ大学で学生相手に行った心理実験が有名です。


<チャルディーニのロー・ボール・テクニック実験>


❶承諾先取を使わない依頼(全条件を最初から提示)

  • 明日朝7時からの心理実験に参加してもらえませんか。

承諾率:24%


❷承諾先取を使った依頼(悪条件を後から提示)

  • 明日の心理実験に参加してもらえませんか。

   👇承諾者に対し

  • では朝7時に来てください。

最終承諾率:56%


👇チャルディーニ博士。


最初から朝7時と言われた学生は、時間が早すぎるために4人に3人は断りました。


しかし一度「参加する」と答えてしまった学生はその後「朝7時だ」と言われて(え、早すぎる)(聞いてないよ)と思っても「一度OKしてしまった手前」2人に1人以上が断れなかったのです。


「自分たちはNOと言える国民性だぞ」と自負しているアメリカ人がこれです。


被験者が日本人学生だったら、❷の最終承諾率はもっと高かったでしょう。


この「ロー・ボール・テクニック」は実に日常的にあらゆる場所で使われています。


  • 「Tシャツ1,000円~」と表示しているが1,000円の商品は数枚で残りはもっと高い。
  • 「50%オフセール」と表示しているがよく見ると「セール除外品」だらけ。
  • 「本体0円」のスマホを契約しようとすると山のような有料オプションを付けるのが条件だと言われる。


スマホ本体0円はとうとうなくなりましたけど。


先日私が歯科医ともめたのも、これだったなと今は思っています。


<受診前・問合せ段階の説明>

  • 一本義歯は約9万円。1度来院で型取り、2度目の来院で調整・お渡し。調整まで込みの値段。
  • 9万円は1度目の来院時に全額先払い、2度目の来院時には再診料の3千円のみ


<義歯作成後・引渡日の説明>

  • (調整を時間で切り上げ)残りの調整は次回以降。
  • 次回からは毎回処置料9千円発生。
  • 他の患者さんにも全部そうしてます。
  • 7割の調整でお渡し、様子を見ながら3~4回かけて微調整して完成させるのが普通。
  • 皆さん処置料(9,000✕3=27,000円~9,000✕4=36,000円)を払ってます。

<私の反論>

  • 最初から全部説明されていれば、他院との比較検討に際し貴院は9万円ではなく12万円として考えた。
  • 最初に条件を隠し、後から明かす(これがロー・ボール・テクニック)のは悪質である。
  • また到底7割完成とは思えない状態で切り上げられている。
  • これが7割完成とは笑止。承諾できない。


結局、もう一度限り無料で追加調整するという回答を引き出すことに成功しました。


再調整後に私は歯科医に言いました。


「これでやっと7割段階だと感じます」


しかし先方も「自分は本当は正しい」をマシンガンのように連射し続けたので、本当に丁々発止。
辛うじて負けなかったものの、精神的疲労が凄く翌日までぐったりでした。


多くの人がロー・ボール・テクニックに引っ掛かってしまうのは3つの要因だと言われます。

  1. 脳への負担を減らしたい。
  2. 対人関係を良くしたい。
  3. 責任感。

👇対人関係…


3はつまり「ここを選んだのは自分だから、自己責任もある」という心理です。


しかしロー・ボール・テクニックを意図的に使う者は最初からこの「自己責任」を逆手に取っています。


「うちを選んでうちと契約したのは、あなたの自由意思ですよね❓ならあなたの自己責任も大きいですよね❓」


👇からの


だから、諦め(て追加要求に応じ)なさい。
自分の尻拭いは自分でしなさい。



そういえば
「当院は完全自由診療である。貴女は保険診療医と自由診療医の区別すらついていない」
とも何度も繰り返し、慇懃無礼な丁寧言葉で言われました。


ダイレクトに言われたわけではありませんが、繰り返されると
「自由診療医(高い)を選んでおきながら、追加処置療の3万円ぽっちが払えないとゴネる貧乏人め」
という意味だなと感じます。
実際、言いたいことはそれだったでしょう。


すると「貧乏人と言われたくない」という自尊心(見栄)が刺激され「そのくらい払えます」と言ってしまう人が、中には絶対います。


そこを狙ってプライドをチクチク刺激してるなと思いました。
乗りませんでしたけど。


こういう相手との2.対人関係など、良好に保つ必要があるでしょうか❓
私は破綻上等としか思いません。


私も、もし今後義歯に不具合が生じても、別の歯科医に事情を話して修理を頼むと決めています。