初回公開：2021/6/18   11:00

昨年ブログを始めたばかりの頃に書いた記事です。
あまり読まれていませんので再公開します。

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牧野富太郎先生の遺した植物画の膨大さと緻密さは、文章だけでは表せません。

東京にお住まいの方は、ぜひ練馬区の牧野記念庭園・記念館（入場無料）へどうぞ。

四国にお住まいの方は、高知県立牧野植物園（一般入場料730円・高校生以下無料）へどうぞ。

両方ともご遠方の方は、書籍でどうぞ。

牧野富太郎　なぜ花は匂うか (STANDARD BOOKS)

平凡社

Digital Ebook Purchas

植物記 (ちくま学芸文庫)

筑摩書房

本

10歳で小学校に入学するも2年で中退。

独学で植物学を勉強。東京帝大理学部植物学教授に才能を認められ、研究室への出入りを許される。

そこへ出入りしながら「日本植物志図編」を自費出版。

気軽に写真を使える時代ではなかった（明治時代）ため、全て自筆の挿絵。
ロシアの植物学者（当時の第一人者）にも自著を送り、挿絵の描写力を大絶賛される。

「学歴のない者が帝大研究室に出入りするな！」
という一部のジャイアン教授たちの嫌がらせで、研究室から一時出禁をくらう、本の出版を妨害される、等のイジメ（嫉妬ですねえ。醜いわあ）にあうも、私財を食いつぶしながらひたすら研究を続け、50歳で東京帝国大学理科講師に抜擢。

ジャイアン教授たちからの
「小学校中退者が帝大講師なんて理屈に合わない」
との声の中、77歳まで講師を勤め上げる。

65歳の時、論文で理学博士号を受ける。

退職の翌年1940年に「牧野日本植物図鑑」刊行。

こちらは2020年に50年ぶりの新版が出版。
初版から80年経った今もなおバリバリ現役というオバケのようなロングセラー本です。

新学生版 牧野日本植物図鑑

北隆館

本

独自に作成した植物標本は個人所蔵だけで40万枚。1500の植物名を命名し「日本植物学の父」と称される。

94歳で亡くなる直前まで研究に没頭。
没後は生誕日4月24日が「植物学の日」に制定される。（「マキノの日」の異名あり）

牧野先生のあまりに精緻すぎる、写真をはるかに凌駕する挿絵は、見るたび鳥肌が立つほどです。
この顕微鏡のような視線は、HSPに加え、いわゆる「ギフテッド」を感じます。

ただし先生は、精神的な脆弱性はあまりなかったご様子です。

牧野先生ご尊顔
（あえてお若い頃のにしてみました。カミングアウト前の氷川きよし似のイケメン）

自伝もあります。

牧野富太郎自叙伝 (講談社学術文庫)

講談社

本

小学校中退で発明王になったエジソンばかりが、なぜか日本では有名ですが、ニコラ・テスラに嫉妬して妨害したりとちょい性格が悪かったエジソンより、私は断然マキノ推しです。

今は宮沢正之さん（さかなクン）が着実にこの路線を行ってますよね。研究分野は全く違いますけど。

東京海洋大学受験に失敗し、専門学校卒の学歴ながら、今やその入学できなかった東京海洋大学の名誉博士と客員准教授をやってるという、ミラクルパーソンさかなクン。

さかなクンも好きなので、そのうち彼についても何か書くかもしれません。

牧野先生のお墓は、台東区谷中にある護国山天王寺と高知県高岡郡の牧野公園の２ヶ所にそれぞれあります。

谷中の方は昔お参りしたことあるんですが、なにせガラケーの頃で、撮った写真は今残っていません。