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マンガ書評>⑰「きょうのスー」:スズメもつらいよ❗️


ナンバリング’再公開です。

初公開:2021/11/27    7:00



スズメやハト、カラスにムクドリetcといった、
人間の身近で暮らす野鳥たちの4コママンガです。


どうぶつ4コママンガ=ホンワカ平和、という先入観を持って読むと裏切られるでしょう。

きょうのスー : 1 (アクションコミックス)
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きょうのスー : 2 (アクションコミックス)
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きょうのスー : 3 (アクションコミックス)
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双葉社
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データ

出版社 :双葉社

種別  :アクションコミックス(大判)

タイトル;きょうのスー(全3巻・完結済)

作者  :マツダユカ

ジャンル:動物もの4コママンガ

あらすじ

 
絵は確かに脱力・ホンワカ系ですが、あらすじをひとことでまとめると


「愛らしい小鳥の世界も、日常生活は弱肉強食のサバイバル」


です。


基本はコメディタッチなのですが、餌がとれないと死。
ケンカで怪我をすれば死。


ドラマチック演出はありません。


他の鳥の餌を奪い取った鳥が、次のコマでカラスにさらわれて死。
といった具合です。


死はいつでも隣にある。決して特別ではない。

今日生きていても明日は死ぬ。

明日生きていても遠からず死ぬ。

生きとし生けるものは皆、その点において過酷なほど平等である。


そんな野鳥の宿命が、しっかりと淡々と描かれています。



👇画像はAmazonより。


主人公はスズメのスー


主人公はオスのスズメ、名前はスー。
野性のスズメの平均寿命はわずか2年。


子雀のスーもあっという間に大人になり、お嫁さんをもらために懸命にメスにアピール。
なんとか一羽のメスとつがい(夫婦)になり、懸命に子育てをします。

早成性と晩成性


鳥の仲間はざっくり大きく分けて二つのタイプがいます。
早成性と晩成性です。


早成性の鳥はキジ目(ニワトリ🐓もココ)やカモ目🦆などです。


生まれた時にすでに毛が生えていて目も開いています。
走り回って自分で餌を拾って食べることができます。
親は子供を餌のある場所に連れて行き、はぐれないように引率するだけ。
(決して「だけ」ではないけれど、晩成性に比べれば楽)


生まれたてのひよこ。出典元:Wikipedia

晩成性はそれ以外の鳥。スズメやツバメもこちらです。
生まれた時は赤裸。目も見えずピーピー鳴くだけ。
親がせっせと餌を運んで口に突っ込んで食べさせてやらなければいけない。


生まれたてのスズメのヒナ。出典元:埼玉県庁


親はふたりがかりで休む間もなく餌を取っては巣に戻りまた餌を獲りに行き、
必死になって子育てをします。


どんなにせわしなくても親は決して手を抜きません。


ヒナは数ヶ月で大人になり、寒く餌の乏しい冬をかろうじて越し、
翌年にはそのまたヒナが生まれます。


いっとき親子3代になったスーの家系。
しかしその頃にはもうスーには2年の寿命が迫っています。


作者:マツダユカさん


元から鳥好きの人しか読まないであろうジャンルのマンガです。
しかし読み終わった頃にはいっそう輪をかけて鳥が愛おしくなっている、そんなお話です。


作者のマツダユカさんは武蔵美卒。
デビュー以来鳥マンガしか描いてないという異色の鳥マンガ家です。


他の作品の主人公はアヒル、ウズラ、コーチン、始祖鳥などなど。
ブレない人です。(だから好き)


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