今日は何の日>7月26日:幽霊の日👻
1825(文政8)年に四世鶴屋南北作「東海道四谷怪談」が初演された日。
上演場所は江戸の中村座でした。
東海道四谷怪談(通称:四谷怪談)
夫である民谷伊右衛門(たみやいえもん)に父を暗殺され、自身も毒殺された妻・岩(お岩)の幽霊が伊右衛門を祟り殺すという復讐話。
伊右衛門が妻殺害を企てた動機はお花という女性(もともとは伊右衛門の上司のお妾さん)との浮気。
江戸時代は夫が妻を離縁するのは今よりずっと簡単でしたが、伊右衛門は婿養子の立場だったのでそれができない。
ならば殺してしまえと義父を辻斬り、妻には毒を盛って殺害。
・・・まったくねえ。
これを「実話に基づく」「本当にあった話」と書いてる人がネット上に少なからず見受けられます。
しかし、モデルになったと言われる「田宮岩(たみやいわ)」さんを今もまつる新宿区四谷の「四谷於岩稲荷田宮神社(おいわいなりたみやじんじゃ)」によると、全く違います。
実在した田宮伊右衛門・岩夫妻と二つのお岩稲荷
田宮岩さん(?~1637年)は、四世鶴屋南北が「四谷怪談」を発表する200年も前の江戸初期を生きた実在の人物です。
良妻賢母で、婿養子の田宮伊右衛門との夫婦仲も良く、一時は傾きかけていた御先手組同心※田宮家を夫婦で力を合わせて再興した旨が書かれています。
四谷於岩稲荷田宮神社は実在した田宮家の屋敷跡に建てられています。
※先手組(さきてぐみ)
江戸幕府の軍制の一つ。
江戸城各門の警備、将軍外出時の警護、江戸城下の治安維持等の役割を担った。
画像は4Travelより。
(私も数回行ってますが写真が見つからない)
また細い道をはさんだはす向かいには、やはりお岩さんをまつった「於岩稲荷陽運寺」というお寺もあります。
こちらも境内に「お岩稲荷」という祠があります。
こちらは、実もフタもない言い方をすると四世鶴屋南北の「四谷怪談」のあまりの大ヒットに便乗し、お岩さんを祀ることにしたお寺のようです。
画像はお寺の公式より。
近い近い近い💦
四世鶴屋南北(よんせいつるやなんぼく)あるいは四代目鶴屋南北
宝暦5(1755)年~ 文政12(1829)年。
江戸後期に活躍した歌舞伎狂言作者。
鶴屋南北を襲名した者は計5名いるが、4代目の業績が傑出している。
そのため単に鶴屋南北と言う場合は四代目を指す。
鶴屋南北を襲名したのは、妻・お吉が三代目鶴屋南北の娘だったから。
いわば婿養子だが後に化けた(大成したという意味の)。
代表作は「桜姫東文章(さくらひめあずまぶんしょう)」「東海道四谷怪談」
中村座(なかむらざ)
江戸にあった歌舞伎劇場。
江戸三座のひとつ。
座元は中村勘三郎代々。
江戸三座(えどさんざ)
江戸町奉行所によって歌舞伎興行を許された芝居小屋のこと。
公許三座(こうきょさんざ)という。
中村座、市村座、森田座の三つ。
お岩さんの映画
何度となく映画化されている「四谷怪談」ですが、最近では柴咲コウさんがお岩さんを演じた「喰女(クイメ)」というのがありました。
- 喰女 ―クイメ―
- Video On Demand
👇画像はシネマトゥデイより。
こんな美人の奥さんをもらっときながら浮気➡殺害なんて、そんなおバカいるかな❓
上の写真の柴崎さん(演じるお岩さん)に眉毛がないのは、江戸時代は既婚女性は既婚の印に眉毛を剃り落とす習慣があったからです。
共演は市川海老蔵さんでした。
👇画像はシネマカフェより。
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