博物館>遠藤章特別栄誉教授顕彰記念室:東京農工大学科学博物館❹
❶❷❸はこちらです。
❸でご紹介した通り、常設展のメインは養蚕関係です。
他に別室の大学史展示室と遠藤章特別栄誉教授顕彰記念室があります。
遠藤章(えんどう あきら)特別栄誉教授顕彰記念室
エンドウミリエ(仮名)のおじいちゃんです。
・・・嘘に決まってます。
遠藤 章農学博士(1933年~)は農芸化学(応用微生物学)者です。
三共株式会社(製薬会社。吸収合併の末、現在は第一三共株式会社)の研究員から東京農工大学農学部教授になった人物。
最大の功績は スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬※)の発見と開発。
※要は高コレステロール血症治療薬です。
遠藤博士と共同研究を行ったアメリカのマイケル・ブラウン博士とジョーゼフ・ゴールドスタイン博士は、1985年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
なのに遠藤博士はそこからもれた💧
その代わり❓ずいぶん遅れて2006年に日本国際賞と、「ノーベル賞の先行指標」と言われるマスリー賞を受賞。
2008年に「アメリカのノーベル医学生理学賞」の別名を持つラスカー賞(臨床医学研究部門)を受賞しました。
2012年瑞宝重光章受章。
更に2017年には「医学分野で最も著名な賞」と言われるガードナー国際賞を受賞。
スタチンは心筋梗塞と脳卒中の予防薬として、現在でも世界で毎日(毎年ではなく毎日です)約4,000万人に投与され、ペニシリンと並ぶ奇跡の薬と呼ばれています。
2005年には世界におけるスタチンの年間総売上が270億ドル(3兆円)に達しました。
ファイザーのアトルバスタチン(商品名:リピトール®)は世界の医薬品売上1位のブロックバスター※となりました。
※ブロックバスター
莫大な売り上げにより、開発費を回収する以上の利益を生み出す新薬を指す言葉。
明確な規定はないが、1剤で年商10億ドルを超える新薬に対して用いられることが多い。
画像は第一三共のアトルバスタチン。
現在、日本でも多くの製薬会社で製造されています。
2015年5月には全米脂質協会国際動脈硬化学会で遠藤章賞(Akira Endo Award)が創設されました。
なぜノーベル賞を逃したんだ❓レベルの偉い方です。
これで東京農工大学科学博物館のご紹介は終わりです。
この後はこの日最後の目的地、小金井市文化財センターに向かいました。
続きます。
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