鷲はイーグル鷹はホーク隼はファルコン:では鳶(トビ)は❓&鳶の視覚の話❶
答えはカイト(kite)です。
現代日本ではカイト=凧ですが、元をただせば鳶の方が先です。
トビの、上昇気流に乗ることであまり羽ばたかずに滞空する飛翔テクニックを滑翔(ソアリング/グライディング)と言います。
一説によると紀元前4世紀に中国で発明されたという凧。
玩具ではなく軍事目的だったもようです。
日本にいつ伝わったかは定かではありませんが、平安中期の文献には「紙鳶(しえん)」(=紙製の鳶)という名で凧が紹介されているようなので、それ以前です。
風を捉えて揚力で滞空するさまを鳶に例えたのでしょう。
中国語でハンググライダーは滑空翼です。
欧州に伝わったのはインド経由で14〜15世紀頃と言われます。
英語でもやはり鳶を意味するkite(カイト)の名が付きました。
日本では、オオタカはもてはやされトビは嫌われる傾向にあります。
私は不満です。
なぜならトビは可愛いから。
顔も鳴き声も。
※画像はどちらもWikipediaより。
鳶色の方が鳶。
腹部が白い方がオオタカ。
鳶は虹彩が鳶色(茶褐色)なので、ビビッドイエローのオオタカより可愛く見えるんです。
※画像はオオタカ保護基金よりとWikipediaより。
鳶の鳴き声の、和笛(横笛)のようなピ〜ヒョロロ〜も可愛い。
昨今湘南周辺で鳶のお弁当ギャング行為が問題になっていることは知ってます。
つい先日も江ノ島でこんな看板を見ました。
しかし、元をただせば人間が興味本意で餌を与えたのがきっかけと言われています。
事実、地方のホテルの宣伝で「お子様も大喜び・鳶の餌やり体験ができます」というのをつい最近この目で見ました。
鳶は鷹科の鳥の中では雑食性が強いので餌付けも比較的容易。
ただし鷹科の中では体格が良いので、味をしめると積極的に奪いに来るようになってしまった。
実際、体格はオオタカ(翼開長100〜130cm)より鳶(翼開長150-160cm)の方が大きいんです。
※画像はNPO法人オオタカ保護基金より。
※翼開長とはこれ。
画像は猛禽類保護センターより。
オオタカは元々は羽の色から蒼鷹(アオタカ)と呼ばれていたのがいつの間にか訛ってオオタカになったもの。
なので大きい鷹の意味ではないのです。
いやワタクシたいていの鳥は好きなので、オオタカも好きですよ。
ただ、鳶が低評価なのが悲しくて。
お弁当ギャングの件は人間が悪いのです。
この記事で、鳥は紫外線を識別できると書きました。
昼行性の猛禽類が遥か数十mの上空からネズミのような小さな獲物を見つけて急降下し、一撃で捕獲できるのは、眼に拡大鏡のような機能が備わっていると思われてきました。
しかし近年の研究で、それだけでなく紫外線を可視できる能力が大いに関与していることがわかってきました。
鳶の目にも驚くべき構造と能力があることが分かったのです。
具体的には…❷に続きます。
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