亀は両生類ではありません爬虫類です
爬虫類を飼っていますと言うと
「ヘビ⁉蛇ですねッ⁉」
と引き気味に言われます。
いいえ。
ヘビは食餌が生餌(いきえ)とか、譲歩しても冷凍マウスとかなので私にはハードルが高いんです。
人工飼料が確立しているカメとトカゲモドキ(イモリ)しかヘタレな私には飼えません。
こう答えると、中にはさらに爆弾発言をなさる方がたまにいる。
「カメは両生類ですよね?」
陸と水中の両方で生活できるから「両生類」なんだそうです。
・・・違うよ?
両生類:子どものうちはエラ呼吸・大人になったら肺呼吸
これ以上でもこれ以下でもありません。
両生類の代表格、カエルは子ども(オタマジャクシ)の時はエラ呼吸です。
なのでオタマを陸に上げっぱなしにすると呼吸ができずに死にます。
大人(カエル)になると肺呼吸です。
なので蛙を水中に沈めっぱなしにして息継ぎをさせないと死にます。
オタマジャクシとカエルは姿かたちも全く違います。
水中生活者形態から陸上生活者形態へ劇的に変化します。
これを「変態」と言います。
「ウーパールーパー」は商品名です
一時期流行したウーパールーパーはメキシコサンショウウオ(両生類)の幼生です。
ちなみにウーパールーパーというのは、1980年代当時の「昭和の珍獣ブーム」に乗っかってブレイクを狙った日本人(個人)が付けた商標です。
なので日本以外の国では全く通じませんのでご注意ください。
このメキシコサンショウウオはしばしば幼生成熟(ネオテニー)を起こします。
幼生形態のまま性成熟して産卵します。
余談:
日本の成人向マンガでも一時期こういう「顔は幼女(ロリータ)・身体だけは過剰に大人」という妙ちくりんな絵柄が大流行しました。こういうのを好む人も「変態」と言われます。
現在ペットショップで流通しているウーパールーパーは、このメキシコサラマンダーを人為交配した品種改良種です。
原種は土色をしていますが品種改良種では突然変異で出現した白色(ピンクがかった白)個体を優先的に交配したので、ペットショップで売られているものはほとんど白色またはそこから派生した黄色です。
流通しているウーパールーパーはほぼ成体にはなりませんが、飼育環境によっては偶発的に成体になるものもいるそうです。
下が幼生(ウーパールーパー)と成体(メキシコサラマンダー)の違いの比較画像です。
エラがある方が幼生、ない方が成体です。
「成体になると見た目が可愛くなくなるので、飼育環境に気を付けて成体にならないようにしましょう」
と書いているサイトが目立ちますが、私にはそこまで言うほどの違いが判りません。
成体も可愛く見えます。
ただ問題は飼えるかどうかです。
カエルは幼生(オタマジャクシ)のうちは子どもにでも割と簡単に飼えるのに、成体(カエル)になると湿度管理やら給餌やらの飼育難度が格段に上がります。
メキシコサラマンダーも同様で、成体になるととたんに飼育難度が爆上がりして素人には手に負えなくなるそうです。
カメは生まれた時から肺呼吸
ではカメはどうかというと、生まれた時からカメの姿をしていてエラなどありませんよね。
カメは孵化した時から肺呼吸です。
また海に潜りっぱなしと思っている人が多いウミガメですら、呼吸は水面に出て息継ぎをしています。
ウミガメがわざわざ陸に上がって産卵するのは、魚の卵と違いウミガメの卵は水中では呼吸ができずに死んでしまうからです。
「卵が呼吸⁉」
と驚かれたそこのあなた。
卵の殻にはたくさんの気孔があり、呼吸をしてます。
魚の卵も呼吸します。
卵の中にいる魚の子どもはエラを持つので水から酸素を取り込んで呼吸できます。
ウミガメの卵の中のウミガメの子どもは肺を持つので水から酸素を取り込むことはできません。
なので親亀は陸に上がり、満潮の時でも水の来ない所まで行って卵を産みます。
というわけで、カメは爬虫類です。
これはうちのミシシッピニオイガメ・弐號(ニゴウ)です。
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