目撃談>偏屈もほどほどに:バスでのできごと
ちょっと前の話です。
私はバス停で並んで始発のバスの扉が開くのを待っていました。
列の先頭にいるのは70代ぐらいのご婦人でした。
その人は、黒い日焼け防止手袋(肘まである)をした上からさらに使い捨てのビニール手袋を両手にはめていました。
おそらく過剰な「コロナ対策」です。
バスの扉が開くとその老婦人は入口の手すりをつかみ、腕の力と反動だけで体を持ち上げて乗ろうとするようなアクションを見せました。
しかしうまくいきません。
何度も同じ動作を繰り返しますが、ダメです。
原因は、多分アレ。
運転手さんも同じことを思ったらしく、マイクで言いました。
「上の(ビニール)手袋が滑ってますよ。(手袋を)外した方がいいですよ」
しかし老婦人は運転手さんのアドバイスが聞こえないのか無視しているのか、全くリアクションを見せず、同じ動作を繰り返します。
トライアンドエラーが10回を数えた時点で、私は
(すぐ後ろの人、背中でも押してあげたらいいのに)
と思いました。
しかし同時に
(いや、でもあの人はうかつに手伝ったりすると逆切れするタイプな気がする)
とも思いました。
そういう雰囲気があったのです。
十数回目にようやく成功して、彼女は乗り込みました。
後ろに並んでいた20人ほども、やっと乗ることができました。
そして彼女が下りる時。
私は(やっぱり手を出さなくて正解だった)と思いました。
というのも彼女は、降りる時に手を貸そうとした50代くらいの善意のご婦人(後から乗ってきた人だから始発バス停での一連を知らない)の手を邪険に振りほどいた上に、ピシャッと叩いて下りて行ったからです。
\無視されたよ!/
自助努力は大切ですが、これは少々違う気がします。
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