映画評>最愛の子(原題:親愛的)・2014年中国
昨日は昼じゅう寝てやる❗️の意気込みで会社をサボった病欠したものの、昼寝をし慣れてないせいであまり眠れず。
仕方なくAmazonプライムビデオを2本見ました。
❶最愛の子
「3歳の我が子は、3年後、よその子になっていました」
親愛的(中国語)=(英語)darling/swetie
2014年中国映画
原語 :標準中国語(北京官話/マンダリン)
上映時間:2時間15分
監督 :ピーター・チャン(陳 可辛)
配役 :<左が役者名:右が役名>
- ヴィッキー・チャオ(趙 薇):リー・ホンチン(育ての母)
- ホアン・ボー(黄 渤):ティエン・ウェンジュン(実の父)
- ハオ・レイ(郝 蕾):ルー・シャオジュアン(実の母)
👇時たま香川照之に似て見える、誘拐された男児の実の父。
あらすじ
2009年、中国深圳。
下町で寂れたネットカフェを細々と営むティエンは、妻と離婚し3歳の息子ポンポンと2人暮らしをしている。
中国語圏の国では離婚の際、男親に優先的に親権が認められるのだ。
再婚済みの元妻(息子の母親)シャオジュアンは、定期的に子供に面会に来ている。
ある日、ポンポンが誘拐される。
警察に届け出るが、中国では幼児誘拐(人身売買含む)が多過ぎるため、警察も親身に動いてはくれない。
ティエンとシャオジュアンは行方不明の息子に個人的懸賞金を付け、協力して必死の捜索を続ける。
だが連絡をしてくるのは懸賞金目当ての詐欺師やイタズラ、冷かしばかり。
詐欺師からの連絡すら途絶える頃になると、今度は被害者の会(民間団体)に入会して捜索を続ける。
執念が実り、3年後にようやく善意の目撃者から有力情報を得る。
2013年、深圳から遠く離れた中国北部の寒村で養育されていた息子を力ずくで奪い返す二人。
DNA鑑定で親子関係が認められ、息子を正式に取り戻す。
しかし、6歳になっていた息子は、実の親のことを何ひとつ覚えていなかった。
息子は育ての親(誘拐犯の妻・ホンチン)を母と呼び、ホンチンもまた子供を追って深圳にやって来る・・・。
中国の幼児誘拐と人身売買の闇
2013年、中国中央人民放送は毎年20万人の子どもが誘拐されていると発表。
だがこの推定数はあくまで控えめに算出された数字だと言われる。
誘拐された子どもの価格は5,000ドルから13,000ドル。
その多くは数十人から数百人のメンバーを抱える巨大な犯罪組織によって取引されている。
この映画はティエンのモデルとなった彭 高峰の息子・文楽が2008年に行方不明となり、2011年に両親の元に戻ったという実話が基になっている。
(映画公式サイトよりコピペ)
ちなみに今月初めには、中国当局による「公的幼児連れ去り」があったことまで判明しています。
感想
主演にクレジットされているヴィッキー・チャオ/趙 薇(役名リー・ホンチン)が、子供を誘拐された母役ではなく、子どもを誘拐した男つまり幼児誘拐犯の妻役というのに驚きました。
この誘拐犯(発覚時には既にがんで死亡)は、妻の不妊症のせいで子供ができないという理由で3歳の男児を誘拐。
妻が無学ゆえに従順なのをいいことに、誘拐してきた男児を「出稼ぎ先の女に産ませた自分の子供」だと言い含めて育てさせていました。
また生後2か月の女児も、こちらは「出稼ぎ先の工事現場に捨てられていた捨て子だ」と説明して兄妹として育てていました。
女児は該当する捜索願が出ていないため、児童養護施設に預けられます。
子供を追って深圳に来た誘拐犯の妻(ホンチン)は、娘を引き取りたいと粘りますが施設は拒否。
するとホンチンは弁護士を雇ってまで争おうとします。
👇まるでこの「誘拐犯の妻」が最大の被害者かのようなポスター。
「どうか神様、私にあの子を返してください」
つまり
1枚目のポスターは「子どもを誘拐された被害者からの視線」
2枚目のポスターは「子どもを育てていた誘拐犯の妻からの視線」
というわけです。
しかし・・・
誘拐犯の妻は「夫の言葉を信じていただけだから、自分は悪くない(警察からも誘拐犯の片割れとはみなされなかった)」という根拠を振りかざします。
「夫の隠し子(男児)と捨て子(女児)と信じて育ててきた。二人を愛してる。誘拐した男児を実の親に返すのは仕方ない。でも、親が捨てた女児は育ててきた私のもの」
と固く信じ、何とか女児だけでも取り戻そうと執念を燃やします。
詳細は書きませんが「女児が捨て子である」ことを夫の元同僚に証言させるために、文字どおり身体まで張ります。
気持ちはわからないでもないけれど・・・と思いつつ、背筋がゾーッと冷たくなる感覚もまた止められません。
更にラストでは、誘拐犯の夫(死亡済)が妻にもう一つ重大な嘘をついていたことが発覚します。
ここまで嘘まみれの夫を、妻は本当に髪の毛ほども疑わずに信じていたのでしょうか?
・・・本当に?
これ以上はネタバレになりますので、ご興味の湧かれた方はこちらをどうぞ。
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何せ長い(135分)&内容がヘビーなので、時間に余裕のある時にご覧ください。
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