HSS型HSP🌏Millieの脳内世界

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酸素と二酸化炭素の話>酸素は実は猛毒物質だった

タイトル変更と本文の誤字訂正をしたので上げ直します。

初公開:昨日21:30


太古の地球には酸素などなかった


太陽系に地球という惑星が誕生したのは約48億年前。
その地球に生命が発生したのは今から約38億年前と言われています。


10億年で最初の生命が生まれたのですね。
意外と早い気もします。



当時の地球は現在の金星や火星と同様に二酸化炭素を主成分とする大気を持ち、酸素はまだ全く存在しなかったと推測されています。


具体的に言うと大気の96%が二酸化炭素だったようです。


そんな地球に誕生した微生物は、硫化水素を分解して微量のエネルギーを得て慎ましく生きていました。
生命発生から10億年前後はそういう時代が続きます。


30~25億年前にシアノバクテリア(藍藻らんそう/藍色細菌 らんしょくさいきん )が出現します。


シアノバクテリアは地球生物として初めて酸素発生型光合成を始めました。


※シアノバクテリア画像はナショナルジオグラフィックより。


酸素発生型光合成とは、太陽光エネルギーを利用して二酸化炭素と水の化学反応から糖(エネルギー源)を生み出し、廃棄物である酸素を排出するというものです。


酸素発生型光合成によって得られるエネルギーは硫化水素を分解して得られるエネルギーよりもはるかに多く、シアノバクテリアは当時の地球上で爆発的に大繁殖します。


その結果、それまでの酸素を含まない大気に大量の酸素が放出されました。


酸素は強毒性物質


酸素は本来、非常に強い毒性を持ちます。
鉄を酸化(錆び)させてボロボロにするように、生物の細胞をも傷つけます。


今、心の中で「ウソだ~」とつぶやいた方。
活性酸素の害はご存知ありませんでしょうか?


活性酸素については長くなるので別記事で書きます。


増加する酸素の毒性により、シアノバクテリア以外の生物のほとんどが絶滅しました。
これは良い/悪いではなく単なる事実です。


しかし悪化した環境に順応し、酸素を利用しようとする生物が現れました。
ミトコンドリアです。


ミトコンドリアは水素と酸素の反応エネルギーを利用して、ATP(アデノシン3リン酸)というそれまでになかったほどの高エネルギー物質を作ることに成功します。


ある単細胞生物はこのミトコンドリアを自分の細胞内に取り込むことにより環境の激変を生き延びました。


この単細胞生物が、現在の地球上に生息する全ての真核生物の祖先です。


真核生物とは、動物・植物・菌類・原生生物など細胞中に細胞核と呼ばれる細胞小器官を有する全ての生物です。


※真核生物の細胞。


細胞の一つ一つの中に、取り込まれたミトコンドリアがいます。


⑨がミトコンドリアです。スリッパではありません。


現在地球上にはこの真核生物と原核生物(藍藻と細菌)しかいません。


普通の人が普通に考える「生き物」は全て、人間もミミズもオケラもアメンボも、あなたも私も苦手なGも、ことごとくがこの


「猛毒物質・酸素の利用に唯一成功したミトコンドリアを細胞内に取り込むことに唯一成功した」


単細胞生物の子孫です。


歴史は(おそらく)繰り返す


これはつまり、今悪者扱いされている二酸化炭素が激増した場合も同じことが起きる可能性が高いことを意味するでしょう。


悪化した環境に順応し二酸化炭素を利用しようとする生物が現れ、現生生物のほぼ全数が絶滅したのち長い長い年月をかけて進化し、繁栄し、全く違った生物相を築く。


少し前に流行った世紀末ものSFで使い古された設定、


「地球は核の炎に包まれた。そして放射能により生まれたミュータント(突然変異した生命体。たいていはモンスター扱い)が人間を襲う!」


みたいな感じでしょうか。


しかし突然変異体=化け物というステレオタイプな発想も失礼な話ですよね。


人体を構成する細胞600,000,000,000,000(60兆)個の一つ一つの中にもれなく存在しているミトコンドリアこそが、かつては正にそういう生き物だったのですから。


「人間のために」と言ってくれ


何が言いたいかというと、二酸化炭素は人間を含め今現在の地球生物にとっては確かに害でも、地球にとっては別にどっちでもいいということです。


だから「二酸化炭素が増えたら人間が危ない」と言うのは正しいとしても


「地球が危ない」
「地球がかわいそう」
「地球のために二酸化炭素排出量を減らそう」


・・・といった「地球のために連呼」は正しくないということです。


地球にとっては今現在の大気組成がベストなわけでもなければ、今現在の生物構成がベストなわけでもありません。


人間がいなくなっても地球は痛くも痒くもないでしょう。


ひょっとしたら今現在の生物がほぼ全て絶滅した後に出現する二酸化炭素利用型生物の方が、進化の果てに人間をはるかに凌駕する知性を獲得し、人間よりよほど平和的に存続するかもしれません。


地球という惑星の寿命は約100億年と言われています。
48億年が経ち、残りが52億年あります。
シアノバクテリアが生まれてから30億年です。


もう一度交代劇を行う時間は十分にあります。


なので


「地球のために」「地球のために」・・・


と連呼するのはやめていただきたい。


自分のエゴを押し付けようとする人ほど


「あなたのためを思って言ってあげている」


という言い方をするのとよく似ていて、非常に嫌いな表現です。


「我々人間のために」
「我が身可愛さゆえに」
「(地球最強生物という)既得権を手放したくないから」


と、正しく言ってほしい。


一時期の大流行期よりよりだいぶ減りましたが、いまだに「地球に優しく💗」を自己アピールに使っている企業も、うさん臭いと思って敬遠しています。