クイズ>解説:この手指の持ち主は?<前編>
<問題>
上の写真のような特徴的な手指を持つ生き物の名前を当ててください。
<選択肢>
❶クモザル
❷テナガザル
❸デラクールラングール
❹ショウガラゴ
❺アイアイ
「聞いたこともない名前がある」というコメントもいただきましたが、選択肢は全てお猿さん(霊長目:別名サル目)です。
❶クモザル:霊長目オマキザル上科クモザル科 (樹上性)
クモザル科の猿の特徴は、体長より長く腕と同じくらい太く、把握性(物を握ることができる)に優れ「五本目の足」と呼ばれる尾です。
尻尾だけで枝からぶら下がる(全体重を支える)こともできます。
長い尾だけで枝からぶら下がり長い四肢を動かす姿が、糸でぶら下がった蜘蛛を連想させた・・・ということで付けられた英語名がスパイダーモンキー。
和名はそれを直訳して蜘蛛猿です。
☟画像は江戸川環境財団より。
長い指を熊手か鉤爪のように枝に引掛けて枝から枝へと移動します。
他の樹上性の猿も移動の時には主に親指以外の4本指しか使いませんが、万が一の時のためにストッパーの役割を果たすのが短い親指です。
しかしクモザルは尾が安全ベルトの役を果たすため、ストッパー(親指)が不要となったと思われ、退化して完全に消失しています。
というわけでクモザルの最大の特徴は手が4本指(親指がない)ことです。
☟手の画像はかぎけんWEBより。
少々見づらい画像ですが、4本指ですね。
❷テナガザル:霊長目直鼻亜目真猿下目狭鼻小目ヒト上科テナガザル科
長いですね~。
私が決めたわけじゃないんですが、なんかすいません。
注目すべきは「ヒト上科」。
我々人類(ホモサピエンス)はヒト上科ヒト科です。
テナガザル科は2000万年から1600万年前に人類との共通祖先から分かれたと考えられていて、霊長目(サル目)の中では人間に近いグループです。
これがテナガザルの手。
発達した4本の指に短い親指。
4本指を駆使して枝から枝へと移動するのは蜘蛛猿かと同じですが
❸デラクールラングール:霊長目オナガザル科コロブス亜科
でら(名古屋弁:とっても)クール(かっこいい)ラングールだがね!!
・・・という意味ではありません。
コロブス亜科の猿はアフリカとアジアに生息します。
そのうちアジアに生息するグループがラングールと呼ばれます。
中ではインドの街中にも平気で出没するハヌマーンラングールが比較的有名です。
ハヌマーンラングールがヒトを恐れないのは、インド神話に登場する猿の姿をした神・ハヌマーンの使いと信じられて手厚く保護されてきたため。
一方主にベトナム周辺に生息するデラクールラングールは、白いおパンツをはいたような特徴的な白黒ツートンカラーが特徴。
日本の動物園にはいないらしく、てのひら画像が見つからないので、ハヌマーンラングールの手の画像でご勘弁ください。
画像はreleaseより。
と、丁寧に解説していたら長くなってきたので後編に続きます。
正解発表も後編で!
・・・この時点で❶~❸のハズレはバレバレですが、ご期待ください。
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