「アリとキリギリス」が嫌いな子供でした
キリギリスは貯蔵という観念を持たない音楽家です。
またどうやったところで成虫は冬を越せません。
人に飼われて適切な温度管理を受ければ多少は長生きするでしょうが、それとて春は迎えられません。
卵の形態でだけ冬を越すことができます。
卵を成すためには恋を成就させねばなりません。
キリギリスの淑女はより優れた音楽を奏でるキリギリスの紳士を選びます。
だからキリギリス紳士は一生懸命に音楽を奏でます。
そして卵を残して満足して寿命を終えるのです。
なのになぜか一部の人間が彼の一生に文句をつけます。
キリギリスはアリのように働かず、音楽を奏でて遊び呆けたから飢えて死んだのだと根も葉もない嘘を言います。
とんでもない濡れ衣です。
幼稚園児ミリエは、バッタやキリギリスが好きで好きで大好きで、昆虫図鑑の「キリギリスの一生」などは丸暗記しておりました。
だから鼻の穴を膨らませて得々と、この根本的な設定がすでに間違っている「アリとキリギリス」の話を使って子どもに説教するタイプの大人が嫌いでした。
大人になった今でもその手のタイプは大の苦手です。
画像はWikipediaより。
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