人材派遣の裏話実話:派遣先で出逢った変な人❹「貴女の罪悪感を減らしてあげる」さん
昼寝したら夢を見ました。
以前の実体験を追体験する夢です。
以前「派遣先で出逢った変な人」というタイトルで❶から❸まで記事を書いたことがあるので、今回は❹として公開してみます。
昔々、まだ派遣で働いていた頃。
私は「ハケンはあちこちの企業に行けて面白いから」と、わざと短期短発仕事だけを希望していた時期があります。
月に20日フルで働くけど、短期短髪仕事だけを組み合わせるのです。
政府が「日雇い派遣は原則禁止」と言い出して改正人材派遣法で圧力をかける前だったので、うまく組み合わせれば全然困らずにつなげるくらい短期短発案件があったのです。
その日は2日間だけの受付の仕事でした。
派遣先は大企業ではありません。
民間法人が所有する「ちょっと大きめの公民館」規模の小さな会館の、小さなエントランス脇の小さな受付です。
玄関脇に小事務所があって受付用の小窓が開いているあのスタイル。
2日間だけイベントで忙しいからとかで、応援要員とやらで呼ばれました。
古い建物なので門からエントランスまで妙に距離があり、経路もなぜか直線ではありません。
そのため、門から入って来た人を受付まで誘導する仕事の人も別にいました。
私の仕事は来場者のお名前を伺って来場予定者名簿と突き合わせ、☑を入れること。
それからパンフレットなどをお渡しして
「中でスリッパに履き替えておあがりください。会場は『〇〇の間』です」
とご案内すること。
会場は3室あって、どの部屋に案内するかは名簿に書かれている通りに言えばOK。
中には別件の申込書などの書類を出してくる人もいるけど、内容の不備確認は奥の大事務所に控える代表者夫人(今回派遣会社に求人を出した人)がやるから、受取るだけでOK 。
(記名が抜けてないかだけはチェックする)
季節は夏。
今年のような猛暑ではありませんでしたが、30度ちょっとにはなりました。
来場者が落ち着いてきた昼少し前に、誘導係の人が水分補給のため小事務所に入ってきました。
私より若い女性です。
誘導「あなた、バイト?」
私 「派遣です」
誘導「こんな2日っきりの仕事でハケンねえ・・・日雇い派遣ってやつ?」
私 「そうですね」
誘導「私はバイト。ところで、あなた、退屈じゃない?」
私 「え?」
誘導「こんな狭い所にじっと座って、客の名前聞いてパンフ渡すだけなんて、退屈でしょ。だから、私が少し代ってあげる」
私 「・・・へっ???」
誘導「あなた、しばらく誘導やりなさいよ」
私 「いや・・・でも、受付業務で契約してますし・・・」
誘導「なんで?私だけ炎天下で外で立ち仕事で、あなたはクーラーの利いた部屋で座り仕事って、不公平じゃない?」
私 (あ、そうきたか)
誘導「普通は罪悪感を感じるでしょ?だから、ちょっとだけ交代してくれたら、あなたも罪悪感を感じずに済むでしょう?私は去年も呼ばれたけんですど、その時は受付の人も同じバイトで、時々交代してくれたんですけど!」
私 (・・・もともとそういう契約だったんじゃないんですか?)
彼女の声が大きくなったので、聞きつけた代表者夫人(今回派遣会社に求人を出した人)が奥の部屋から顔をのぞかせました。
夫人「どうしたの?」
誘導「ちょっとだけ交代してほしいって頼んでるのに、この人がイヤだって」
夫人「あら、キツイの?今日暑いから・・・」
そして猫なで声で
夫人「エンドウさん、30分だけ交代してあげられない?去年まではそうやってうまく助け合ってもらってたんだけど」
私 「いや、私は派遣会社から『受付業務』で契約書をいただいてますので・・・。では、交代していいものかどうか、ちょっと派遣会社に電話してきます」
夫人「あら、そんな面倒くさい話なの?派遣って初めて使ったけど、融通が利かないのね。じゃあ結構よ。(誘導係の人に)あなた、門の所に戻ってちょうだい」
誘導「・・・・・・!!」(ものすごく不満顔)
結局、午後はその人がお客さんを案内してくるたびに睨まれることになりました。
さらに3時の休憩時間には夫人から愚痴を言われる始末。
夫人「今年は去年呼んだバイトさんが前日にドタキャンになったから、ハケンしか間に合わなくて、使ってみたけど、バイトさんより高くつくのに逆に融通は利かないって不便ね。来年はまたバイトさんに戻さなきゃダメだわあ」
私 (こんなとこ、こちらから願い下げですわ)
私よりもっと気の強い人なら、もう翌日(契約2日目)からバックレたんじゃないでしょうか。
そんなことがあった翌日(2日契約の2日目)もキッチリ出勤して、契約を全うした私は十分及第点だと思います。
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