毒の実を食べる小鳥と植物の知恵~ランタナ~
今、あちこちの植込や下生えでランタナ(和名:七変化)が実っています。
熟すと黒紫色になるランタナの実。
どことなく桑の実にも似ているような似ていないような。
左がランタナの実、右が桑の実です。
画像は両方ともGreenSnapよりお借りしました。
ところが古くから食用にされてきた桑の実と違い、ランタナは種子にランタニンと呼ばれる有毒成分を持ちます。
しかし果肉部分は無毒のため、種子を砕かず実をを丸呑みする習性の(歯がない)小鳥たちは、毒を摂取することなく果肉だけを食べることができます。
種は消化されずにそのまま排泄され、地に落ちて芽を出します。
種を噛み砕かないと飲み込めない習性の(歯がある)哺乳類は、毒を摂取してしまいます。
大人の牛は身体が大きいので大丈夫ですが、子牛や山羊、羊は中毒で死ぬこともあるそうです。
ランタナは、種を噛まずに排出してほしいのです。
そうでないと芽を出して殖える事ができません。
また鳥は行動範囲が広いので、遠くまで種を運んでランタナの生息域を拡大してくれるという利点もあります。
ランタナは、鳥に食べてもらいたい。
哺乳類には食べられたくない。
つまりランタナは種にだけ毒を持つことによって鳥だけがランタナを食べるように仕向けている。
ランタナが鳥を選んでいるのです。
そういう植物は他にもけっこうあります。
「植物には意識や意思がない」というのは、人間の幻想のようです。
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