人類の遺伝子的多様性の低さの原因は過去の気候寒冷化かもしれないという話<後編>
この記事から続いています。
ダーウィンの名言
「最も強い者が生き残るのではない。
最も賢い者が残るのでもない。
唯一生き残るのは、変化できる者である」
C・ダーウィン(1809~1882)
イブの子孫が生き残れたのは、イブが無双のスーパーウーマンだったからではないでしょう。
たまたま、襲い掛かってきた困難が「寒さ」と「飢え」だったから。
たまたま、この両方に対して高い順応性を持っていたから。
いくつもの偶然が重なって、偶然生き残れたのがイブの遺伝子だった。
例えばここ数十年で爆発的に増加して人類の脅威となってしまった、生活習慣病。
今の人類は飢え(=低栄養)への順応力が高い遺伝子保有者が生き残ってきた結果、その逆の豊栄養状態にはめっぽう弱っちいという弱点が明らかに。
同じことが最近の気候温暖化にも言えるのではないでしょうか。
寒冷化に耐える方向に強いDNAが生き残ってきた結果、気温が今度は温暖化の方向にちょっと揺れたとたん
「温暖化を許したら、地球が滅ぶ!!」
と目を三角にして右往左往する狼狽ぶり。
地球はちょっとやそっとの気候変動では滅びませんよ。
恐竜の繁栄が始まった前期三畳紀は、地球の平均気温は30℃を超えていたとも言われます。
2023年の地球平均気温は約14℃です。
※環境省公式を参考にしました。
この高温環境が変温動物(寒冷環境では活発に動けない)の恐竜に対して追い風に働きました。
彼らは爆発的に繁栄を始め、約1億5千万年続く恐竜時代が始まります。
画像はニューズウィークよりお借りしました。
一方で地球は約50億年前に誕生して以来、少なくとも3回はスノーボールアース※になったと言われています。
※地球全体が赤道付近も含め完全に氷床や海氷に覆われた状態。
日本語訳は「雪球地球」「地球凍結」「全球凍結」など。
画像はダイヤモンドオンラインよりお借りしました。
それでも地球は滅んでなんかいませんし、生物も滅んでいません。
気温が上昇すれば高温を有利とする生物が繁栄し、下降すれば低温に耐えられる生物が生き残る。
それを繰り返しているだけです。
クマムシなんていう最強生物もいますし。
- マイナス272℃から151℃まで死なない。
- ヒトの致死量の1000倍以上のX線を浴びせられても死なない。
- 6,000気圧の高圧をかけられても死なない。
- 真空状態でも死なない。
ということは、このまま温暖化が続いた場合、滅ぶ可能性があるのは
「気候寒冷化に対しては順応力のあるDNAを持った、現生人類の98%」
となるでしょう。
そして案外、残りの2%(イブのDNAを持たない集団)が代わりに繁栄を始め、数万年後にはそちらが多数派になっているかもしれません。
環境は常に変化するもの。
そのためには多様性はとても大切。
流行り言葉ではなく、本質的に大切だというお話でした。
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