HSS型HSP🌏Millieの脳内世界

いらっしゃいませ。お好きな記事へどうぞ。

   

It is getting hotter.
Be careful not to eat too much cold food.
This year's ducklings will hatch soon.
How many ducklings will we see ?

鶯(ウグイス)色と萌黄色(メジロの色)が混同された元凶は花札らしい<後編>


この記事から続いています。



「メジロの色=萌黄色=明るい黄緑色」が「ウグイス色」だという誤認識が広まったのは、花札の「梅に鶯」が原因だという話を書きました。



確かにこのポップな黄緑色は、ウグイスの色ではありません。


ウグイス(左)とメジロ(右)。

 


なぜかというと・・・


蜜を求めて梅の木に群がっている小鳥は、ほぼメジロだから。


ウグイスはとても臆病で用心深い鳥です。


その鳴き声「ホ~ホケキョ!」は、今の季節(春)は東京23区の端くれ・杉並区でも緑地や公園に行けば聞くことができます。


遠くからでも聴き取れる、特徴のある甲高い美声と独特のメロディ。


しかし、声はすれども姿は見えず。


ウグイスはなかなか人間に姿を見せようとしないのです。


一方メジロは、スズメより更に小さい極小サイズながら気の強いことで知られている鳥です。


「スズメ目の猛禽」「三頭身でも猛禽」と呼ばれるモズほどの逞しさではではありませんが、私は先日「カワセミが仕留めた小魚を、横から略奪するメジロ」という動画も観ました。


これはモズ。



犬の中ではチワワが(そのサイズに比べて)気が強く物おじしないことで知られています。


メジロは、スズメ目版のチワワと思ってください。


メジロは花の蜜や果実がことのほか大好きな鳥なので、今の季節はよく梅の木に群がっています。


大きな梅の機が満開だと、10羽くらいのメジロが一心不乱に蜜を吸っていることもあります。


人間が至近距離から観察していても、すぐには逃げません。



正しい「梅にうぐいす」
画像はnoteよりお借りしました。


私たちが一般的に目にする、梅に群がる小鳥。
画像は西日本新聞よりお借りしました。


想像してみましょう。


江戸時代の人が誘い合って観梅に行くと、どこからともなく「ホーホケキョ!」とウグイスの美声が響きます。


八さん「良いねえ、美声だねえ、風流だねえ。やっぱり『梅には鶯』がお似合いだね」


熊さん「おやおや、緑色の小鳥が梅の木に群れてるよ。あれがうぐいすかい?」


するとまたどこからか「ホー、ホケキョ!」


絵師 「やっぱりあれはウグイスだ」


かくして花札の「梅に鶯」の札には、メジロが描かれてしまいましたとさ。



メジロは花の蜜や果実など甘い物を大変好みます。
みかんを半分に切って庭やベランダに置くとすぐに来ます。


一方、ウグイスはほぼ昆虫食+果実食を少々です。


梅の枝に留まっても、メジロのように花に頭から突っ込んで蜜を吸ったりましません


ではなぜ「梅に鶯」と言うのかというと、梅の満開時期と、ウグイスのオスが「ホーホケキョ」とさえずり始める時期がほぼ一緒だからです。


「ホーホケキョ」は、オスのウグイスが繁殖期にメスに向けてだけ出す「さえずり」と呼ばれる求愛声(ラブソング)です。


小鳥界ではラブソングは男の仕事なので、メスは「ホーホケキョ」とは鳴きません。
オスも繁殖期以外は「ホーホケキョ」とは鳴きません。


そして日本に住む鳥類の繁殖期はほぼ春。
猫も一緒です。


猫のオスも繁殖期には独特の鳴き声を出します。
ただしウグイスの美声と違って濁声(だみごえ)なので、人間が風流だと思わないだけです。


というわけで、ウグイスは別に梅を好むわけでもないのに、梅の花の盛りのタイミングで美声で歌い始めるために、人間が勝手に「梅にうぐいす」と言い出した。


しかしその梅の花を見ると、群がって蜜を吸っているのはメジロ。


というわけでウグイスとメジロの混同が起きたということです。


もう一度言います。


美声だけど地味で、滅多に人間に姿を見せないステルスシンガー。
こちらが本物のウグイスです。