万年青(オモト)が赤い実をつけていました
渋谷区笹塚の公園で実っていました。
オモト(万年青)は中国から日本に自生するスズラン亜科の常緑多年草です。
日本では関東以南の山地に自生しています。
鉢植え観葉植物としても栽培されます。
江戸時代初期には主に大名家で栽培が行われたため、万年青栽培は「高尚な趣味」とされていたようです。
江戸中期頃から(比較的裕福な)庶民にも手が届くようになると、一部は投機の対象となったと言われます。
オランダのチューリップや中国の君子欄と同じですね。
鉢植えの万年青画像はGreenSnapよりお借りしました。
明治10年頃にも関西を中心に大ブームが起き、高いものになると1鉢1,000円で取引されたそうです。
この「明治初期の1,000円」をWikipediaでは「現代の一億円に相当」と書いていますが、これには少々異論を持っています。
というのも、明治に入って新しく作られた通貨「円」はそれまでの通貨だった「両」と等価とされたのです。
1円=1両。
そして幕末頃の米価(当時は米が通貨の代わりを果たしていた)から換算した1両の価値は、現代の約6万円に相当すると言われています。
すると1,000両は6千万円です。
明治時代は物価が上がり続けたインフレ時代でした。
幕末期より円の価値が下がったとは思えません。
なので「1,000円の万年青」は現代で言えば5千万~6千万だった、が妥当な気がするのです。
学名はRohdea japonica(ローデア・ジャポニカ)。
ローデアは、19世紀のドイツの植物学者。
Rohde 氏が命名した、ジャポニカ(日本固有種)という意味ですね。
英語名だとNippon lily、lily of Chinaと2種類あり、ブレてます。
しかもこの花がどう見ればlily(ユリ)に見えるのか。
「万年青」は中国名で、日本では漢字をそのまま使って「おもと」と読ませます。
花の画像は万年青の豊明園よりお借りしました。
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