枝垂れ桜の枝が垂れる原因は突然変異と判明しています。

植物ホルモンのジベレリン（ギベレリン／日本人技師・黒沢英一氏が発見が発見）は植物の成長促進、老化抑制といった働きをします。

このジベレリンの分泌が不正する突然変異により、枝の組織が通常の桜より柔らかくなり、重力に抵抗しきれず垂れると考えられています。

ただしこの突然変異は潜性遺伝（旧称は劣性遺伝）のため、子孫に必ずしも伝わるものではありません。

園芸品種としての紅枝垂れ桜や八重紅枝垂れ桜は、突然変異個体を日本人が珍しがり、接ぎ木や挿し木で人為的に殖やしたクローン個体です。

ただソメイヨシノ（こちらも接ぎ木や挿し木で殖やされた単一系統クローン群とされる）と比較すると、シダレザクラには遺伝情報が違う複数系統が認められるそうです。

枝垂れ桜は少なくとも平安時代には存在していたため、江戸時代に作出されたソメイヨシノほど厳密に管理されず気軽に殖やされた結果、複数系統の交雑種が誕生したと考えられています。