イヤでも聞こえてしまったどこかのご近所トラブルの話
先日某所でお茶をしていましたら、すぐ近くのテーブルから大声の会話が聞こえてきました。
前期高齢者の男女でした。
夫婦やカップルではなく友人関係のようです。
男性が何かに憤慨し、女性が激しく同意。
興奮で音量がどんどん上がり、聞きたくないのに声が耳をこじ開けて入ってきてしまいました。
二人とも「あのババア」を連発します。
男性が住む集合住宅で、住人女性(BBA呼ばわりされてる人)が過失で何らかの事故を起こし、本人も入院。
管理組合で話し合ったところ、その男性以外は全員
「保険で全てカバーされるようだから、それで良い。おしまい」
という意見だったそうです。
男性だけが主張した
「過失とはいえ、その女性にも何らかの償いを求めるのが筋」
という意見は却下されたらしい感じの話ぶりでした。
男性「何でよ?過失とはいえBBAが皆に迷惑かけたことに変わりはないのに。全額保険が出るからそれで良いじゃないですかって、何?」
女性「入院したもんだから、同情されてるのよBBA。でも、わかるよ。私もそれはおかしいと思う。保険がおりればそれで良し、じゃないっつーの!」
という感じの話が、何周もグルグルとループ。
そしてループしてる間にどんどん音量が上がっていく。
肝心の「事故の種類」が曖昧だったのですが、集合住宅でのやらかしといえば、まず思いつくのは漏水か失火。
そして漏水で本人が入院というのはちょっとありえないので、失火かなと思いました。

失火の場合は、失火責任法が適用されます。
失火責任法とは
「失火の場合は重過失を除き、損害賠償義務が生じない」
ことを定めた法律です。
重過失と判断された例としては
「揚げ物油の入った鍋を火にかけていることを自覚していながら、台所を離れた」
などがあります。
重過失が認められず、失火責任法が適用された場合はどうなるでしょうか。
近隣住戸に延焼被害が出た場合でも、失火を出した人に損害賠償義務は生じません。
近隣住民は延焼被害に対して「自分が加入している火災保険を使う」必要があります。
ちゃんとカバーされますよ。
「俺意外全員『保険で全て下りるようだから、それで良い』と言った」
というのは、このことかなと思いました。
ただ、そうはいっても
「法的に問題なくとも、自分の保険を使えとか、クソ気分悪いんですけど!怒怒怒!」
という人は存在します。
そこで
「損害賠償義務は生じなくとも、隣近所に嫌われて住み続けられなくなったら、困るのはあなたです。引越したくなければ、きちんと謝罪周りをしましょう。もちろん菓子折りやお詫び金は自腹で用意しましょう」
など「義務がなくとも謝罪すべき」と指示している「マナー指南サイト」も、ネットで検索すると簡単に出てきます。
「持参する菓子折りの相場はいくら、包む金額の相場はいくら、お金を入れる袋はこんな感じで、お詫びの言葉はこれこれ…」
と、実にこと細かく指南が書かれています。
しかし男性の住む集合住宅(マンションと言っていました)では、管理組合の話し合いで
「(延焼被害が)保険で全てカバーされるならそれだけで良い。個人的なお詫び金は望まない」
が多数対1(男性のみ)で決議された、ということかと私は解釈しました。
「〇〇さんが、退院した後でもしお金を包んできても、受け取らないようにしましょう」
「そうですね」
という流れにでもなったのかなと。
男性「最近の風潮はおかしいよ。無理が通れば道理が引っ込むってやつ?」
女性「最近おかしいってのは、日頃から感じてるわ。特に私らより若い人。みんななんだか杓子定規で、感情のないロボットみたい」
私はそこで席を立ちました。
要は「義務はなくても誠意を見せろ」かつ「誠意は縦76mm × 横160mm※の和紙製品でなくては承知しない」ってことですか?
※新1万円札のサイズです。
とりあえず
(あの人たちが我が家のマンションの住民でなくてよかった…)
とだけ思いました。



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