ある日、路線バスで
先日路線バスに乗った時の話です。
バス停には7~8人の行列ができていました。
一番先に乗り込んだ若い女性が交通系ICカードをタッチしましたが、残高が足りなかったようです。
彼女は千円札を出してチャージをしました。
そしてそのままスーと奥に行こうとしたので、運転士が呼び止めました。
運 「お客さん、もう一回タッチしてください」
客 「もう払いました!」(自信満々)
運 「いや、今チャージしただけでしょ?」
客 「チャージと同時に差し引かれました!」(さらに自信満々)
運 「そんな機能ないです。チャージの後もう一度タッチしないと、料金は引かれません」
客 「いいえ引かれました!ピッて鳴りました!」(言葉の端にイライラがにじみ始める)
運 「それはチャージ完了音です」
客 「いいえ、もう払いました!」
後ろに並んでいた他の乗客は、私も含めて乗ることができず、呆然となりゆきを見守っていました。
彼女のすぐ後ろにいた老紳士が言いました。
紳士「…先に通して(乗せて)もらえませんかね?」
通路をふさぐ形で立っていた若い女性が脇によけたので、私も含めた他の数人が先に乗り込んで座りました。
最後に残った女性、まだもめています。
運 「とにかくまだ運賃は引かれてませんから、もう一回タッチしてください」
客 「だから!さっき!タッチして!ピッて!ちゃんと!鳴って!聞こえたんです!」
運 「じゃあ、もう一度タッチすると残額が表示されますから、残額を見せてください。チャージされた1000円から明らかに減り過ぎてたら、返金しますよ」
女性は黙ってタッチしました。
表示額は私からは見えませんでしたが、彼女は無言でその場を離れて後部座席の方に移動しました。
返金劇はありませんでした。
つまり運転士が正しかった。
バスは数分遅れでようやく発車しました。
降車扉の前に憮然とした表情で立っていたその女性は、たった2停留所先で降りて行きました。
本当に2停留所だけ乗る予定だったのかもしれません。
しかし、私は何となく
(あれ?ばつが悪くなって、降りちゃった?)
と思ってしまいました。



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