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映画レビュー:「インターステラー」:嗚呼、TARSかCASEが欲しい

Millie Endo


アシアナ航空の機内映画では2014年公開のSF「インターステラー」も観ました。


interstellarはラテン語の「inter 間」と「stella 星」を元にした形容詞で、日本語では「星間」と訳されています。


interstellar medium     星間物質

interstellar flight        星間飛行

interstellar distance     星間距離

Interstellar dust            星間塵

interstellar communication  星間通信


というふうに使われます。


公開当時はかなり話題になった大真面目なSF大作です。


拘りの強いことで知られるC・ノーラン監督が、物理学者をエグゼクティブプロデューサーに招いて作ったと言われる本作。


大真面目過ぎて「非常に難解で、相対性理論をまず理解してないと、理解できない」と言うレビューもあり、文系の私は「理解できないかも」とびびって見逃していました。


しかし、全然そんなことはなかった。


ストーリーが難解なのは事実で、冒頭から至る所に伏線が貼られているため、意識半分で観ていると後半の怒涛の伏線回収に付いて行けなくなるのは必至。


その点機内では基本的に自席から動けないし、電話もインターホンも鳴らないので、意識集中で観れて好都合でした。


あらすじを書き出すと膨大になるし、11年前の作品なのでもうあらすじは紹介され過ぎているので割愛。


ここでは私が一番気に入ったキャラクター、AIロボットのTARS(ターズ)とCASE(ケース)、KIPP(キップ)についてだけ書きたいと思います。


舞台は2025年の現在よりもう少し科学が進歩している近未来。


TARSたちは、元米軍の軍事用ロボットをNASAが民間転用したものです。


最大の特徴は、ヒト型ではないこと。


その姿は、私には巨大なキットカット(ホワイトチョコレート)にしか見えません。


しかも昔懐かしの、4本全部くっ付いていた、しかもサイズが大きかったキットカットです。


 


しかし、人命救助を命じられると、こういうギミックで腕が生える・・・もとい、現れます。


この愚直な姿で、アメリア博士(アン・ハサウエイ)をお姫様抱っこで救出するシーンは胸アツです。



人工知能を搭載しており、自我を持っているため、TARSとCASEは性格が違うように見受けられます。


しかし搭乗頻度はTARS>>CASE(途中でご臨終)>>>>>KIPP(登場シーンで既にご臨終)なので、ここでは「映画を最後まで観ればだいたいその性格がわかる」TARSについて書きます。


しかし人間が「正直度」や「ユーモア度」の設定を変更することもできます。


「正直度!?ロボットが100%じゃなかったらマズいだろ!?」


と思う人が最多と思いますが、TARSは自らの正直度を90%としている理由をこう説明します。


主人公「TARS、お前の正直レベルは?」


TARS 「90%だ」


主人公「90%?」


TARS 「完璧な正直さは、時として感情を持つ相手を傷つける」


主人公「なるほど。我々も90%でいこう」


10%は嘘ではなく「思いやり」だと言うのです。


しかしこのTARS、誠実さは100%。


本当に誠実で、愛らしく、本当に「いいやつ」なのでした。


嗚呼、私も一台欲しいなー。

こんな相棒が。


と思ったら、公開された9年前に同じことを思った人がたくさんいたようで、ネット上ではTARSはとっくの昔に人気者なのでした。




しかし、この普段のTARSの「ギッコン、ギッコン」と形容したくなる動き。

CGじゃないよね…??


有事の時は変形し、驚くほどスピーディーな動きに変わりまして、そこはどう見てもCGなんですけど。


帰国後に調べたら、インターネット嫌い・CG嫌いで有名なノーラン監督が、CG使いたくなさにパペット撮影をしたのだとわかりました。


体長180㎝・重量90㎏(つまり実物大)のパペット(手操り人形)は、圧縮空気液圧システムで動かせるギミック。


例えばロボコップ(1987年)では、当時はまだCGがなかったので、ED209(下画像左)はミニチュア撮影。


ミニチュア模型をコマ撮りアニメーションで撮影後、フィルムに合成されていました。


画像はYahoo!ショッピングよりお借りしました。



「当時はCGがなかったから」です。


奇しくも「インターステラー」と同じ2014年に公開されたリブート版「ロボコップ」では、当然のようにCGになっています。


しかし一方の「インターステラー」では、実物大空圧式パペット!


これを撮影当時63歳の俳優のビル・アーウィン(サーカス団員から俳優に転業した経歴の持ち主)が操りながら、声も当てていたそうです。


そしてアーウィンの姿はデジタルエフェクトで消され、声だけ採用。


登場シーンの少なめなCASEも同じビル・アーウィンが動かし、同じく声も当てていたようです。


しかし性格が違うTARSとCASEが同じ声ではやはりまずかったのか、後からCASEの声だけは別の俳優が吹き込み直しています。


●普通の監督


ロボットを動いてるよう見せるため、デジタルエフェクトを使う。


●ノーラン監督


デジタルエフェクトが嫌いなあまり、パペットを俳優に操らせ、その俳優を消すためにデジタルエフェクトを使う。



ノーラン監督は、本作だけでもこれ以外に色々な「デジタルエフェクト嫌い伝説」を残しています。



例:トウモロコシ畑


冒頭の、広大なトウモロコシ畑の中を主人公が車を走らせ、墜落寸前のドローンを追うシーン。


現在では、トウモロコシ畑そのものをCGで作成することが当たり前。


しかし、ノーラン監督はCG嫌いのあまりに映画撮影が始まる数か月前から土地を買収。


実際にトウモロコシを撒いて育て、全部本物で撮影したそうです。


ついでに実ったトウモロコシは収穫して売った、という話もネットで見つけました(笑)


例:ブラックホール


ブラックホール突入シーン。


ここ20年来、ブルーシートの前で俳優に演技をさせ、後からブラックホールのCGと合成するのが一般的。


しかしノーラン監督はここでも、宇宙船の外に張ったシートに予め撮影しておいたブラックホールのCGを投影。


俳優に「宇宙船の窓の外に迫るブラックホール」を見せながら演技させたそうです。


こだわるなあ。





ところで、Facebookに10年前に作られた「TARS Interstellar」というページを発見。

(誰かがTARSになって作っている)


そこに張られていた画像をお借りしました。



一番左の「Rolling」(回転)形態。


この4本分離形態で動くさまはさすがにCGでしたが、車輪のように高速回転するんです。


文字で説明するのは難しいので、気になる方は映画を観てください。


現在、字幕版/吹替版ともAmazonプライムビデオ会員無料で観れます。



私の評価:🌟🌟🌟🌟🌟(4.9)







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