高齢者ほど詐欺に引っ掛かりやすい理由を脳科学から考える
今朝こういう記事を公開しました。
何年も前に買った蔵書を読み直したのは昨夜ですが。
その本には「高齢者ほど詐欺に引っ掛かりやすい(事実)」の理由はこれかなという記述もありました。
こちらは原文が少々長いので、多少端折って書きます。
米スタンフォード大学のラーキン博士が、マネーゲーム中の被験者の脳を調べました。
すると以下のような結果が出ました。
<損を予感させる状況>
- 金額が増えるほど脳の反応は強くなる。
- 年配者より若者の脳の方が強く反応する。
<儲けを予感させる状況>
- 金額が増えるほど脳の反応は強くなる。
- 年配者と若者の脳の反応の差はほとんどない。
<実際に損をした時>
- 金額が増えるほど脳の反応は強くなる。
- 年配者と若者の脳の反応は全く同じ。
「損失そのものに対する嫌悪感は年を重ねても減らないのに、年をとるにつれて損を回避しようとしなくなるわけです」
と池谷氏は書いています。
キスレー博士はこう言ったそうです。
「年齢と共に悪しき感情が減っていくという実験結果は、一見好ましいことに思われる。しかしリスク管理能力という意味では歓迎すべきだろうか」
損を回避しようとする傾向は加齢と共に減っていく(つまり騙されやすくなる)のに、損をした場合の脳の反応(これはつまり悔しさや後悔、自己嫌悪でしょう)は全く減らない。
つまり「後悔先に立たず」の場面がどんどん増えていくことになります。
実際、高齢者が詐欺に遭ったことを報道する記事では、しばしば被害者が「家族に申し訳が立たない」「死んでしまいたい」などと供述しています。
気を付けねばと思いました。
👇これはフィッシング詐欺。
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