クイズ>解説:実在する生物❷平均寿命30年のハダカデバネズミ
<生息地>
エチオピア/ケニア/ジブチ/ソマリア
アフリカで20世紀後半に発見された完全地中生活適応のげっ歯類。
学名はHeterocephalus glaber。
Heterocephalus 「変な頭部の」 glaber「毛が無い」。
英語名はNaked mole-rat。
Naked(裸の) mole-rat(モグラネズミ)。
和名はハダカデバネズミ(裸出歯鼠)。
ミもフタもない。
このげっ歯類はとにかく色々と変わり種であることが観察研究でわかりました。
スーパーチート生物
❶最低限の感覚毛※以外の体毛がない。
❷完全地中生活に適応し視力をほぼ失っている。
❸哺乳類でありながら変温動物。
❹地中で大規模なコロニー(集団営巣地)を形成する。
❺群れの中で最も優位にある1頭の雌だけが繁殖を行う(繁殖牝)。
❻低酸素・無酸素に耐性を持つ。
※犬猫の口元や目の上などにも生えている、物との接触を感知するための毛
❹❺は、まるでアリです。
また❻では実験で18分の無酸素状態に耐え、後遺症も残らなかったそうです。
人間は5~6分の低酸素状態で低酸素脳症(脳障害)を起こします。
※チート※
本体の意味は「いかさま、ごまかし、詐欺、不正行為」ですが、ネットスラングでは「嘘かいかさまのようにすごい」「ズルしたかのように万能」という誉め言葉。
驚くべき癌耐性
しかしそれ以上に驚きなのが、癌を含む老化関連疾患をほぼ起こさないとわかったこと。
人間界に大きな衝撃を与えました。
がん耐性機構はまだ研究途上ですが、強い発癌剤を投与しても、悪性腫瘍細胞を移植しても、何をどうしても全く癌を発症しないという実験結果が出ているそうです。
そのため平均寿命2~3年の小型げっ歯類の中にあって平均30年、最長40年近い寿命を持ちます。
究極の二択
ハムスターのように人間に好まれる可愛い容姿に生まれて薄命で逝くか、ハダカデバネズミのように人間に容姿をあげつらうような名前を付けられる姿に生まれて病気知らずの30年を生きるか。
ちなみにペットのハムスターの発癌率は高いです。
もし選べるとしたら、あなたはどちらを選びますか?
赤ちゃんの画像はナゾロジーより。
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