今日は何の日>1月20日:玉の輿の日&モルガンお雪さんの話
1905年に京都祇園の芸妓・雪香さんがアメリカの大富豪モルガン財閥創始者の甥、ジョージ・モルガン氏に見初められて結婚した日。
そこから、誰が呼び始めたか今日は「玉の輿の日」だそうです。
いわゆる「モルガンお雪」です。
本名は加藤ユキさん。
☟お雪さんの画像はWikipediaより。
ジョージ・モルガンはお雪を落籍(身請け)するために、金4万円・現在の貨幣価値に直すと8億円相当(Wikipediaによる)という大金をポンと支払ったそうです。
超玉の輿婚!と騒がれ「玉の輿の日」と呼ばれるようになったそうです。
このお金、落籍(らくせき)料は、通常は芸妓や娼妓女性が抱えている借金(前借金)の残額を一括支払いしてやることで稼業から足を洗わせる目的で、男性が置屋(芸妓や娼妓が借金をしている※相手)に対して支払ったものです。
※多くは本人ではなく親が金を受け取っている。
時代劇でおなじみの「娘を身売りする」や「借金のカタに娘はもらって行くぜ」という例のアレ。
ただしお雪さんの場合は「実の姉が経営する置屋で働いていた」そうですから、年季奉公(身売り)ではなかったと思われます。
だから1億5千万円は、おそらく婚資(こんし/英語では bridewealth)。
婚資とは、結婚する際に花婿側が花嫁の親族に対して財産(金)を贈る制度です。
花嫁代償 (はなよめだいしょう) もしくは聘財 (へいざい) とも言われ、かつては多くの国で行われていました。
現在もケニヤなどには残っています。
ケニヤの場合、婚資は牛。
男性は女性や親に「牛を何頭贈るから結婚して(させて)」と申し込むのだそうです。
ジョージ・モルガンから突然求婚された時、お雪さんは20歳。
京都帝大生(後に銀行の支店長になったそうな)の恋人がいたそうですが、求婚騒ぎが新聞ダネにされてしまったためその恋人とは破局。
ジョージは4年間に3度も求婚のために来日。
根負けして求婚を受け入れたお雪さんは横浜領事館で24歳で挙式。
☟ジョージ・モルガン氏の画像もWikipediaより。
お雪さんより10歳年上。
ところが今度は新聞に「金に目がくらんだ女」と書き立てられたそうです。
マスコミってばよ…。
しかし夫は結婚生活わずか10年、44歳で早逝。
まだ34歳だった雪さんは、夫逝去と同時に米国籍をはく奪されてしまいます。
結局莫大な夫の遺産(裁判で勝ち取った60万ドル※)を持ってフランスに移住して新恋人ができるも、その彼も病没。
そして第二次世界大戦勃発。
※当時(1915/大正4年)は1ドル=約2,500円だったので日本円にして約15億円。
当時の1円は現在の貨幣価値で約1,000円・2,000円・3,000円の諸説があり、間を取って2,000円で換算すると約3兆円。
日本に帰国した時には日本国籍も消滅させられていて無国籍状態。
そのうえ長年の海外暮らしで、日本語は喋れるけど書けなくなっていたそうです。
帰国後も何やかやの波乱万丈を経て、1963(昭和38)年に81歳で病没。
いやあ、玉の輿も楽じゃないですね。
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