昭和の不良の恐喝とイマドキの不良の詐欺行為
私は被害に遭ったことはないけれど、昭和の頃の不良の小遣い調達方法と言えば、おとなしそうな人物を物陰に呼びつけて金を出せと脅す、いわゆる「カツアゲ」が定番でした。
正確な日本語で言うと「恐喝」。
それがスマホ電子決済アプリの普及で「恐喝から詐欺へ」変化しているという実例の一つの報道です。
ペイペイは、スマートフォンなどを使った決済サービスで、実名などの個人情報を表示せずに送金が可能。
「残高を送ってくれれば送り返す際にポイントを上乗せして戻す」などと実在しないキャンペーンを装い、相手に残高を送らせた後に連絡を絶つ詐欺事案が全国的に確認されている。
(上の記事より抜粋)
先日発覚した「歯列矯正詐欺」と同じ匂いがしますね。
あちらは
「(高額な)歯列矯正代金を一括先払い(ローンも可)すれば、毎月少額ずつモニター謝礼金名目で返金され、最終的に支払った金が全額戻る」
という詐欺でした。
こちらは「スマホ電子決済アプリで残高を送金してくれればポイントを上乗せして戻す」つまり「金貸してくれよ。利子付けて返すから」です。
例え親族間でも、借用書の存在しない借金の返済を求めるのは法的に困難を極めるものです。
ましてやどこの馬の骨とも知れない赤の他人に借用書も取らずに貸した金に、利息が付いて帰って来るなんてありえないでしょう。
いつまでにどのような方法で返済するとか、利息計算は何%か、等があいまいですから
「ポイントを上乗せして戻すつもりはあった。20年後に」
とか言おうと思えば言えるわけで・・・。
マイナポイントの狂乱騒ぎの時も思いましたが、ポイント進呈と聞いたとたん理性が吹っ飛ぶ人って本当に多いんですね。
「ポイ活=賢い消費者」というイメージが先行しているからでしょう。
基本的にこちらがお金を出して物を買わないと(もしくはサービスを利用しないと)もらえないポイントを、せっせせっせと貯めて、得した!というのがポイ活。
ならば物を買わずに済ませたり、材料だけ買って自分で作ったり、サービスだって自力でやればそれが一番お得です。
例えば1㎞を移動する場合で考えます。
A「『今ならタクシー運賃の2割がポイントで戻って来るアプリ』を使った。410円払って82ポイント戻ってきた。超お得した。私って賢い!」
B「路線バスを利用した。220円だった」
C「路線バスより安いコミュニティバスも走っている区間だった。1時間に2本しかないけど、待って乗った。100円だった」
C「1㎞なんて徒歩15分くらいだから歩いた。1,500歩歩けた」
もちろん何人で乗ったか、荷物の多寡、天候や健康状態、急いでいた度合い、などで「どれがお得か」は変わるでしょう。
しかし単純に「自分ひとりの場合で、懐から消えた金額の少なさでお得度を決める」なら、「歩いて0円」が一番お得。
だから私は度を越したポイ活は逆効果だと思ってます。
「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損ソン※」
いやあ、見る阿呆もいいものですよ。
※阿波踊りの歌です。
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