国立劇場の建替え閉館迫る
昨日タクシーが正面入口に突っ込んだ国立劇場。
昨日の公演の終演予定時刻は19時20分。
事故が起きたのは19時過ぎとの報道なので、付け待ち(空車タクシーが施設付属のタクシー乗場に停車し、客待ちをすること⇔流し)に来たタクシーでしょう。
しかし驚きました。
劇場の入口は、何せ昔の設計なので、敷地は広いし建物の配置も余裕たっぷり、そのうえ駐車場もめちゃくちゃ広いからです。
余裕あり過ぎの、最寄駅の半蔵門線半蔵門駅からは5分ほど、永田町駅からは8分ほど歩かなくてはいけません。
若年~中年層なら苦もなく歩ける距離ですが、歌舞伎や日本舞踊がメインという劇場の特色から、主要観客層は足の強くない高齢者。
敷地を出さえすればすぐ目の前に都営バスの三宅坂停留所がありますし、そもそも公演日には終演時間に合わせて敷地内に設置されたバス停に都営バスが入って来る仕様となっております。
その日の公演の種類によって運航路線が変わり、小劇場公演では東京駅行と新宿駅行しか出ないけど大劇場公演では新橋行と渋谷行が追加されるなど、なかなかのフレキシブルぶりです。
さすが国立。
・東京行き(国立劇場→有楽町駅前→東京駅丸の内南口)
・新宿行き(国立劇場→四谷駅前→新宿駅西口)
・新橋行き(国立劇場→新橋駅前)
・渋谷行き(国立劇場→青山一丁目駅前→渋谷駅前)
しかしそれでもやはり懐に余裕のある観客が多いため、タクシー利用者が多いのが特徴です。
なのでもしこのタクシーがやって来たのが終演直後の、ちょうどタクシー乗場に行列ができていた時でしたら、死傷者が出ていたかもしれません。
終演前の事故だったのが不幸中の幸いでした。
余談ですがオペラ・バレエ上演を目的に渋谷区初台に設立された第二国立劇場(新国立劇場)は、最初から初台駅真上の土地を取得し「駅直結」を売りに建設されたため、路線バスは入ってきません。
そもそも山手通り・甲州街道・水道道路に面しているのに都営バスの路線自体がほとんどなく、走ってるのは95%が京王バスです。
話を国立劇場に戻すと、1966(昭和41)年11月に開場して57年が建つ現劇場は2023年9月から10月まで「初代国立劇場さよなら公演」を行い、10月末に閉場の予定です。
民間資金を活用したPFI事業として6年かけて建替え、2029年秋再開場を予定…と発表されています。
また昭和遺産が一つ消えます。
見学されたい方はお早めに。
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